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日本を元気にする経営学教室

特別編・座談会
「日本企業の現場は本当に大丈夫か」(最終回)
―本社社員は現場に出向き、経営者はビジネススクールの実態を知ってほしい―

早稲田大学ビジネススクール教授 遠藤 功×神戸大学大学院経営学研究科教授 加登 豊×慶應大学ビジネススクール校長 河野 宏和× 京都大学大学院経営管理研究部教授 成生 達彦

遠藤 功 [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長],加登 豊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],河野宏和 [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]
【第28回】 2011年1月24日
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経営学教室・特別座談会の最終回。現場における問題発見力、問題解決力の低下の要因は、多岐にわたっており、これを実施すれば解決するというほど単純なものではない。では、少なくともどのような姿勢で、現場と向き合えばよいのか。さらに、「現場力」を支える「人」の育成が、従来型の社内教育だけでは対応できなくなっているいま、ビジネススクールはどのような役割を果たしうるのかについて、4人の出席者が熱い思いを語った。(司会 ダイヤモンド・オンライン客員論説委員 原 英次郎)

現場を問題視する前に
問われるべきは本社の役割

司会 現場の力を上げていくためには、どうしたらいいかという点については、問題の所在が多岐にわたっていて、これが対策の決定打というものはない。それでは、少なくとも、現場力を再生するために、どのような問題意識で取り組めばよいか、座談会のまとめとして議論したいと思います。

河野 宏和(こうの ひろかず)「本社で会議ばかりをやっている人たちに、ぜひ現場に足を運んでほしいと強く思います」

河野 仮に日本企業が、コモディティ=ボリュームゾーンを狙うとしたら、まったく新しいビジネスモデルを生み出せる企業か、ナンバーワン、ナンバーツーが合併した企業でないとうまくいかない、という話がありました。しかしそれを認めてしまうと、大半の企業は生き残れなくなってしまう。そうした状況下で、現場力を上げようといっても、すごく難しいことだという矛盾を感じます。

 その一方で、本社の人たちの問題意識が低い、とも痛感しています。そもそも、現場力を強くするといっても、営業の前線も、生産現場も見に行かない人たちがたくさん会社にいて、付加価値を全く生んでいないのに、会議ばかりをやっている。そういう人たちに、ぜひ現場に足を運んでほしいと強く思いますね。それがないと、いろいろ視点を提示しても空回りしてしまうんですよ。

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遠藤 功(えんどう いさお) [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長]

1956年生れ。79年早稲田大学商学部卒業、三菱電機入社、米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。その後、米系戦略コンサルティング会社を経て、2008年から早稲田大学ビジネススクールのMBA/MOTプログラムディレクターとして、ビジネススクールの運営を統轄。また、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーの日本法人会長として、経営コンサルティングにも従事。『MBAオペレーション戦略』『現場力を鍛える』『見える化』など著書多数。

加登 豊(かと ゆたか) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1953年生れ。78年3月神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了、86年4月大阪府立大学経済学部助教授、94年1月神戸大学経営学部教授、99年4月神戸大学大学院経営学研究科教授、2008年4月~10年3月経営学研究科長・経営学部長。『インサイト管理会計』『インサイト原価計算』『ケースブック コストマネジメント』『管理会計入門』など著書多数。

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

河野 宏和(こうの ひろかず) [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]

1980年慶應義塾大学工学部卒業、82年同大学院工学研究科修士課程、87年博士課程修了、同年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、91年工学博士、91年助教授、98年教授となる。2009年10月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科委員長、慶應義塾大学ビジネス・スクール校長を務める。1991年7月より1年間、ハーバード大学ビジネス・スクールヘ留学。IEレビュー誌編集委員長、TPM優秀賞審査委員、日本経営工学会理事。


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国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入。にもかかわらず、日本企業には閉塞感が漂う。この閉塞感を突破するにはどうしたらよいのか。著名ビジネススクールの校長・元校長で、経営学のリーダーたちが、リレー形式で、問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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