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日本を元気にする経営学教室

特別編・座談会
「日本企業の現場は本当に大丈夫か」(第2回)
―激論!ガラパゴス路線か、コモディティ路線か―

早稲田大学ビジネススクール教授 遠藤 功 × 神戸大学大学院経営学研究科教授 加登 豊 × 慶應大学ビジネススクール校長 河野 宏和 × 京都大学大学院経営管理研究部教授 成生 達彦

遠藤 功 [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長],加登 豊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],河野宏和 [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]
【第27回】 2011年1月11日
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経営学教室・特別座談会の第2回をお送りする。第1回では、「現場力」の弱体化に対する厳しい認識が示された。第2回では、まず現場の力を再生させるための視点を議論し、このところ日本企業の戦略の問題点として指摘されることの多い「ガラパゴス化」現象、つまり日本独自の高機能化を追求しすぎて、世界市場に通用しない製品づくりとなってしまったという批判について、論じてもらった。(司会 ダイヤモンド・オンライン客員論説委員 原 英次郎)

時代の変遷に流されない
普遍的な基軸は何かを考える

司会 日本企業を巡る市場環境が、大きく変化してきているなかで、かつては日本企業の強さと言われてたものが、マッチングしなくなっている部分がある。では、現場の力を取り戻すためには、どのような視点で臨めばよいのか。製造現場に詳しい河野先生いかがでしょうか。

河野 宏和(こうの ひろかず)「時代の流行に左右されない基軸のようなものを持っておかないと、日々変化していく環境の中で、だんだん自信喪失の状況に陥ってしまう」

河野 すごく難しい課題ですね。どうしても企業の成果は、業績で測られるという側面がある。日本企業の現場の力に言及するときに、私がよく思うことは、業績などのように経営環境に大きく左右される要因を「元気」の尺度として持ち込んでしまうと、あるときにはある業種が元気であり、別のときは別の業種が元気になり、元気と言われる業種に属する企業が、「うちの経営スタイルはこうだ、こうすれば元気になる」と情報発信する機会が多いために、時代と共によいもの、元気さの要因が変遷してしまうということです。

 これは、経営という立場ではある意味仕方がないことですが、一方に、時代の流行に左右されない基軸のようなものを持っておかないと、日々変化していく環境の中で、何がより正しいんだろうかと、唯一の正解を求めていく結果、だんだん自信喪失の状況に陥ってしまう。特に、変化のスピードが速いので、基軸をしっかり持つことは難しくなってきていると感じています。

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遠藤 功(えんどう いさお) [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長]

1956年生れ。79年早稲田大学商学部卒業、三菱電機入社、米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。その後、米系戦略コンサルティング会社を経て、2008年から早稲田大学ビジネススクールのMBA/MOTプログラムディレクターとして、ビジネススクールの運営を統轄。また、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーの日本法人会長として、経営コンサルティングにも従事。『MBAオペレーション戦略』『現場力を鍛える』『見える化』など著書多数。

加登 豊(かと ゆたか) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1953年生れ。78年3月神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了、86年4月大阪府立大学経済学部助教授、94年1月神戸大学経営学部教授、99年4月神戸大学大学院経営学研究科教授、2008年4月~10年3月経営学研究科長・経営学部長。『インサイト管理会計』『インサイト原価計算』『ケースブック コストマネジメント』『管理会計入門』など著書多数。

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

河野 宏和(こうの ひろかず) [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]

1980年慶應義塾大学工学部卒業、82年同大学院工学研究科修士課程、87年博士課程修了、同年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、91年工学博士、91年助教授、98年教授となる。2009年10月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科委員長、慶應義塾大学ビジネス・スクール校長を務める。1991年7月より1年間、ハーバード大学ビジネス・スクールヘ留学。IEレビュー誌編集委員長、TPM優秀賞審査委員、日本経営工学会理事。


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国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入。にもかかわらず、日本企業には閉塞感が漂う。この閉塞感を突破するにはどうしたらよいのか。著名ビジネススクールの校長・元校長で、経営学のリーダーたちが、リレー形式で、問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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