年始の初詣で「家内安全」を祈願した人も多いのではないだろうか。とはいえ、人生のアクシデントには神頼みだけではなく、「備え」が必要だ。生命保険に加入する若手社会人が減少していると言われている昨今、40代の加入率(90%)に比べ、29歳以下は70%前後と言われている(生命保険文化センター調べ)。
マーケティング・リサーチを行うクロス・マーケティング(東京都中央区)が行った「未婚若手社会人の生命保険加入実態」に関する調査では、加入率の低さや年収による加入率の違いが浮き彫りになった。
調査はインターネットリサーチにより、未婚で入社5年以内の社会人18~30歳の男女802人を対象に行ったもの。
非加入者のうち、「今後加入するつもりはない」は21%
これによると、一般社員として会社に勤務する社会人のうち、生命保険に加入していると答えたのは45.9%。非加入者は49.6%で、解約者は4.5%だった。公務員・教職員は加入者がやや多く50%、逆に派遣社員や契約社員は30.8%と加入率は低かった。
加入者と非加入者では平均年収が大きく違い、加入者が305.64万円、非加入者が277.12万円。解約者も277.79万円と、非加入者とほぼ同じだった。
それでは、非加入者はどのタイミングで加入を検討しているのだろう。複数回答で聞いたところ、最も多かったのは、「結婚することになったら」(約53%)。続いて「子どもができたら」(約47%)と、人生の節目で保険加入を検討するという声が多い。次に多かったのが「収入に余裕ができたら」(約38%)。「今後、保険に加入するつもりはない」と回答したのは約21%だった。
加入者の約半数「家族に勧められて」
身近な人の勧めならば未加入者も加入?
それでは、現在保険に加入している若者は、どんなきっかけで加入したのだろう。複数回答で聞いたところ、「親元を離れ独立したから」(21.2%)や「収入が増えたから」(10%)を大幅に上回ったのが「家族・親戚から勧められたから」(44.8%)。自身の転機よりも、身近な存在からの勧めの方が、保険加入の動機となりやすいようだ。また、「会社に来た生命保険営業員に勧められたから」(10.8%)も、「収入が増えたから」を上回っている。
若者の多くも、心のどこかでは「備え」を用意しておきたい気持ちがあるはず。身近な人の勧めるものなら安心だという気持ちは大きいだろう。実際のところ、「収入に余裕がない」という理由で保険に入っていない若者も、身近な人からの勧めがあれば心が動くのではないだろうか。
(プレスラボ 小川たまか)