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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

昔の電通の「デタラメ社員」に学ぶ、労働時間と生産性の関係

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第168回】 2016年11月1日
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 電通バッシングが止まらない。東大卒の新入社員(当時)高橋まつりさんの自殺が労災死認定され、世間的に大きなニュースに。東京労働局が本社に立ち入り検査したこともあり、残業を強制的に減らすために夜10時にオフィスの一斉消灯を実施したら、今度は朝5時に灯りがついたということで「朝残業疑惑」まで出てきた。電通によれば、これは清掃業者が作業するためということだが、とにかくいまだに電通は世間の疑惑の目にさらされているというわけだ。

 こうなると、あることないこと、いろんな話が出てくる。さまざまなメディアに「元電通」という人たちが登場し、ブラックなエピソードを語っている。そのなかには、飲み会で女子社員に裸になることを強要したとか、肛門に栄養ドリンクの瓶を突っ込むことを強要したという話まで飛び出してくる。ちなみに僕は、電通とは30年以上付き合ってきて、300人以上の電通社員と会い、一緒に仕事をした社員も100人を超える。その経験からして、飲み会で女性社員に裸になれと強要するような話は、どうも眉唾っぽいと感じる。

 たしかに僕も、クライアントとの飲み会などで電通の若手社員が素っ裸で躍っているシーンを見たことはある。しかし、それはあくまで男性社員だし、上司がその場で嫌がる若手に無理矢理脱ぐことを強要したというわけでもない。当時、そうした場では若手社員は裸で躍るものといった文化があって、若手社員もそんなものだと思っていた。だから、場が盛り上がってくると、普通に若手社員は脱いでいたのだ。

 そのような文化自体がパワハラだと言われれば、そのとおりである。しかし、それが当たりまえの時代であっても、女性社員に裸になれと強要するというのは考えにくい。少なくとも、僕が実際に付き合っていた100人以上の電通マンで、そんなことを強要しそうな人間は1人もいない。電通には約7000人の社員がいるが、女子に裸を強要するようなことが常態化しているとしたら、100人もの社員と仕事しているなかで1人や2人のハレンチ野郎に遭遇しているはずだし、実際に遭遇しなかったとしても話ぐらいは漏れ聞こえてくると思うのだが、そんなことは一度も聞いたことがない。

 もちろん電通に限らず、どこの会社にもバカ上司はいるもので、たまたまそんなことを強要する上司がいたのかもしれない。しかし、本当にそうしたことがあったとしたら、それはセクハラでもパワハラでもない。犯罪だ。これだけ多くのメディアで、このようなエピソードが伝えられているのだから、警察は電通を捜査すべきだし、もしこの話がガセであれば、電通はメディアを名誉毀損で訴えるべきだろう。だが、閑話休題。今回の本題はそれではない。

デタラメ社員が許された
かつての日本企業

 政府も企業も、社員を過労死から守るために残業を減らし、働き方を変えようと考えているが、そのためには、企業は電通に学ぶべきだ――それが今回のテーマである。これは冗談でも嫌味でもない。マジでそう考えている。ただし、「いまの電通」ではない。「昔の電通」だ。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

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