最新のキャデラックCT6が出てきて<br />ドイツ車もうかうかしていられない全長5190ミリで全幅1885ミリのボディサイズ

 キャデラックの最新フルサイズプレスティッジセダン、CT6がとてもよく出来ている。大型で快適な4ドアセダンを考えているひとは、ドイツ車も日本車もいいけれど、なにはともあれキャデラックCT6を試すべきだ。高級セダンの市場に改めて一石を投じるとてもよく出来たクルマである。

 キャデラックCT6は2016年4月26日に日本で発表され9月から販売開始されている。全長5.2メートルという余裕あるボディに、3.6リッターV型6気筒エンジンを搭載。これに総輪駆動システムを組み合わせている。米国ではメルセデス・ベンツEクラスやBMW5シリーズの上に位置するモデルであるだけに、室内は広くてかつ装備はぜいたく。でもそれだけでなく走りもけっしてひけをとらない。

最新のキャデラックCT6が出てきて<br />ドイツ車もうかうかしていられない日本ではワングレードのみの展開

 キャデラックCT6のよさは、いちど乗るとかなり好きになれるところにある。数字だけみると車体はやや大きめだが、それも気にならない。クルマ好きだとどんどん愛着が湧いてくると思う。その理由は低回転域から高回転域までとぎれることのないパワー感とすなおなステアリング感覚が魅力だ。総輪駆動システムはアクティブオンデマンドといい、高速道路などの低負荷時は後輪駆動で、路面状況に応じて電子制御でトルクが前輪へも伝達される。

 自分の意のままに走らせられるCT6のナチュラルさは、米国車のイメージをいい方向に裏切るだろう。ぜい肉のないかんじだ。マグネティックライドコントロールという電子制御ダンパー採用のサスペンションシステムや、後輪に舵角を与えることでよりすばやいコーナリングを可能にするアクティブリアステアなどで、きびきびした走行性能を味わえる。同クラスのなかで最軽量と謳われる凝った構造の車体の恩恵もあるだろう。軽やかだ。米国のプロダクトで探すとスポーツギアが近いかもしれない。そんないい感覚がある。