私も、組織の中で問題児扱いされ続けてきました。

ビリギャル著者が、2作目に心理学の本を書いた理由【原田まりる×坪田信貴(後編)】坪田信貴(つぼた・のぶたか)坪田塾 塾長。これまでに1300人以上の子どもたちを個別指導し、心理学を駆使した学習法により、多くの生徒の偏差値を短期間で急激に上げることで定評がある。「地頭が悪い子などいない。ただ、学習進度が遅れているだけ。なので、遅れた地点からやり直せば、低偏差値の子でも1~2年で有名大学、難関大学への合格は可能となる」という信念のもと、学生の学力の全体的な底上げを目指す

原田 そうなんです。私も、組織の中で問題児扱いされ続けてきました。

坪田 でも、みんなが「こうすればいいじゃん」と言っているときに、本当は「違うと思うのにな…」と思っている人って実は多いと思うんですよね。子どものうちは、例えばみんなが「ケーキが食べたい」と言っているのに、一人「みたらし団子がいいな」って臆せず言えるんですよ。でも、そこで周りにガンガン言われて萎縮して、高校生ぐらいになった時には何も言えなくなっている子が多い。それはちょっとかわいそうだと思うんですよ。

原田 学校でも社会でも、「普通にしないと」と心にブレーキをかけることが多かったですね。芸術家タイプは、やりたくないことがあると反抗したり、心を閉ざしたりするから「めんどくさい人」と思われがちなんです。だから、先生の本の「芸術家タイプへの対応方法」に書かれていた「気分のむらがあるときには、とにかく待つ」、本当にそれしかないなって思いました。(笑)一般的なエニアグラムの本よりも、すごく実用的。

坪田 本当ですか。嬉しいなあ。

原田 なんていうか…的確な言葉で伝えようとし過ぎて、その単語の意味がわからない、という感じに陥っている本って結構あると思うのですが、先生の本には「心が乱れると悪口を言い出す」など、言いにくい部分も隠さず、リアルに表現されていて。あまりに当たっていてすごく笑いました。

坪田 人それぞれ違うんだということを、とりあえずわかってもらえたらいいなというか。それに応じた接し方をするだけで関係性はガラリと変わりますからね。…本の中では、親御さんに向けて「子どもが○○タイプだった場合の指導術」を紹介していますが、原田さんは親子関係、どうでしたか?センシティブな話ですが…。

原田 母親が「達成者タイプ」なんです。だから、私のような芸術家タイプを見ていると、「どうして普通にできないの!?」とイライラしていたことはあったようですね。本の中の「これをすると嫌われる」に書いてあった、「何で普通にできないの」「周りの子はこうなのに」というワードを言われたことに腹を立てて、ものすごく反抗していた時期がありました。