強制起訴された小沢氏の気になる今後

 民主党の小沢一郎元代表は、1月31日、検察審査会の起訴議決により、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で“強制起訴”された。

 常識的に考えれば、この裁判は無罪にならざるを得ないだろう。なぜなら、有罪に持ち込める新事実や新証拠がなさそうだからだ。

 小沢氏が政治倫理審査会で説明したり、あるいは検察官役の指定弁護士の事情聴取に応じていたら、それなりの手がかりも掴めただろうが、その要請を拒んできたので有罪立証はきわめて困難だろう。

 もしもこれが有罪となれば、検察の威信は地に堕ちるし、検察審による“強制起訴”がこれから強い社会的影響力を持ってくる。

 逆に無罪となれば、検察審に与えられた強すぎる権限に対して見直しの世論も高まるだろう。

 小沢氏は起訴を受けて記者会見し、「私は何一つやましいところはない。引き続き民主党議員として誠心誠意取り組む」と言明した。

「民主党議員として」とは、要するに離党も議員辞職もしないということだ。

 これに対して、民主党執行部はどうするのか。離党しなければ除名、議員辞職しなければ除籍の方向に進む強硬手段をとるのか。どうやらそうはならないようだ。「党員資格停止」を軸に検討するらしい。

強気の姿勢から一変、弱気に…
菅首相を落ち込ませた2つの理由

 菅首相は今年の年頭会見で「“政治とカネ”の問題にけじめをつける年にする」と強調。「起訴が行われたときは政治家としての出処進退を明らかにし、裁判に専念されるべき」と主張。議員辞職まで視野に入れた強気の姿勢を示した。