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韓国経済は政治と癒着した「縁故資本主義」から脱却できるか

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第458回】 2016年12月13日
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photo:YONHAP NEWS/アフロ

朴大統領の弾劾可決
国民が実感した財閥との癒着

 足元で、韓国の政治が混乱を極めている。10月下旬に大統領の長年の友人、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入などが発覚し、大統領の側近までもが逮捕された。大統領の共謀も取り沙汰される中、一貫して朴槿恵(パク・クネ)大統領は潔白を主張してきた。その態度に世論の怒りは沸騰し、与党議員も弾劾訴追案の採決に自由投票で臨むことが決まった。そして9日には、韓国国会は朴槿恵大統領に対する弾劾訴追案を可決した。

 12月6日、朴大統領は与党セヌリ党の幹部と会談し、2017年4月の辞任案を受け入れた。朴大統領は、「弾劾訴追案が可決されても憲法裁判所の審理を見守り、国のために淡々と職務に臨む覚悟がある」と述べていた。

 一方、国会では大統領と財閥の癒着問題をはじめ、スキャンダルの全貌を解明する動きが進んでいる。12月6日、サムスンをはじめとする韓国の財閥企業の領袖を集め、長時間にわたって聴聞会が開かれた。聴聞の内容はテレビで生中継され、財閥企業に支配されてきた韓国経済の実態が衆目の目にさらされることになった。その意味は決して小さくはない。

 ライブ放送を見て、国民自身が実際に韓国経済を牛耳る財閥領袖の肉声を聞き、「政府と財閥の癒着」などの実態を感じることができるからだ。つまり、韓国の"クローニー・キャピタリズム(縁故を重視する資本主義)"の実体が白日の下に晒されるからだ。それは、国民が社会低迷の原因、対策を考える重要な機会だ。

 現在、韓国社会の関心は大統領がいつ、どのように辞任するかに向かっている。ただ、今回の朴大統領のスキャンダルは、単に大統領の辞任で終わらせるべきではない。むしろ、なぜ長い間にわたって一部権力者と財閥の癒着が続いたかを洗い出し、より公正な資本主義の基盤形成を進めるべきだ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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