そこで、「俺もいよいよ潮時かな」と自覚させる。無理なく、抵抗なく、自分を判断して免許を返納できる仕組みが必要ではないでしょうか。

 当然ながら、高齢者が免許を返納したら、行政は高齢者に別の交通手段を与えることが大切です。自分で車を運転しなくても日常生活に支障をきたさないで、安心して生活できる街づくりが必要だと思います。高齢化は加速しています。認知機能が衰えないよう、高齢者自らが努力し、鍛えることができる場所と機会を設けることも必要だと思います。

晩節を汚さず
「名誉ある撤退」をすべき

――最後に、高齢者ドライバーが心がけるべきことは。

 家族や知人から「危険だから止めて」というところまで運転しているのは、晩節を汚します。「名誉ある撤退」をすべきです。

 ダグラス・マッカーサー元帥による「老兵は死なず、ただ去りゆくのみ」という有名な言葉がありますが、自ら限界を悟ったら、さっさと免許を返納する潔さを示すべきではないでしょうか。

 寂しがる必要はないのです。免許を返納したら、ご意見番として助手席にどっしりと座り、「若いおまえの方が危険な運転だぞ。なんだ。その運転は」と言ってやればいいのです。

「まだまだ若いから行けますよ」と周囲から言われても、真に受けてはいけません。それは間違いなく、お世辞ですから(笑)。