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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

2017年は景気回復のチャンス、逃がさないための政策とは

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第224回】 2016年12月14日
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2017年は不確実な年
きりがないイベントリスク

 2017年は、不確実な年に見える。トランプ大統領が就任し、本格的に政権運営を始める。そこで何が飛び出してくるかは、想像できないところがある。

 先進各国は選挙イヤーで、フランス大統領選挙、ドイツ連邦議会選挙がある。イギリスは、EU離脱交渉をいよいよ具体的に始める。中国では、政局的常務委員、いわゆるチャイナセブンのうち5人が交代する。残る習近平主席と李克強首相のパワーバランスがどう変化するかが注目である。

 イベントリスクを挙げると、きりがないというのが2017年を臨む現在の状況である。ならば、実体経済を巡る変化を見通す方がより不確実性は低いと思える。以下では、現在から見通すことのできる経済の変化について、これが2017年のチャンスになりそうだと思える点を中心に考えてみたい。

2013年とよく似ている経済状況
今度こそ空振りしてはならない

 トランプ氏が11月9日に大統領選挙で勝利してから、米株価を中心に急上昇が始まった。トランプ相場である。わが国には、円安・株高の追い風となっている。米経済も好転しているから、この追い風は単にマインド変化によるものではなく、実体経済の好転を伴うものである。

 これらの様子は、2013年と非常によく似ている。あのときは、2012年末に日本で政権交代が起こって、安倍政権が誕生した。それからアベノミクス相場が始まる。現在は、場所を替えて、米国の政権交代が相場変動の起点になっている。

 2013年の日本経済は、数年に1度しか訪れないチャンスを手にした年であった。デフレ脱却、雇用正常化の大チャンスだった。実は、2017年もあのときと同じように、数年に1度のチャンスになるのではないか。だから、今度こそ空振りしてはならない。

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熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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