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野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る

フェイスブック等IT先端企業がトランプ政策で弱体化する理由

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第14回】 2016年12月15日
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 トランプ氏が11月初めにアメリカ次期大統領に決まって以来、アメリカ企業の時価総額ランキングに大きな変動が生じている。金融とエネルギー関係の企業の順位が上昇し、その半面でハイテク企業の順位が低下しているのだ。

 他方で、トランプ氏による資金還流税制が行なわれれば、ハイテク企業が海外に留保している資金がアメリカ国内に流入する可能性がある。

 以上の変化は、アメリカ経済にとっていかなる意味を持つか?

アメリカ企業の
時価総額に大きな変動

 図表1は、最近時点におけるアメリカの企業の時価総額上位10社を示したものである。8月時点での順位と比較すると、大きな変化が生じていることがわかる。

 アップル、アルファベット、マイクロソフトという順は変わらないが、エクソンモービルとバークシャー・ハサウェイが順位をあげている。フェイスブックは順位を下げて上位10社からは脱落し、その半面でJPモルガンが新たに10位入りした。

 時価総額を8月時点と比較すると、アルファベット、アマゾンはほとんど不変で、フェイスブックは減少した。それに対して、バークシャー・ハサウェイの時価総額は大幅に増加した。

◆図表1:アメリカの時価総額上位10社

(注)2016年12月10日時点

 なお、フェイスブックとバークシャー・ハサウェイの株価推移を示すと、図表2、3のとおりであり、きわめて対照的であることが分かる。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る

 日本が直面している課題は、実体経済をいかにして改善するかである。それは金融政策によって実現できるものではない。
 金融緩和に依存して長期的に衰退の道を辿っているヨーロッパ大陸諸国と日本。それに対して、新しい情報技術をつぎつぎに開発し、高度なサービス産業に特化して成長しつつあるアメリカとイギリス。両者の差は、イギリスのEU離脱によって、具体的な 形を取りつつある。
 日本はいま、基本的な成長のパタンを大きく変更しなければならない。これは、純粋な研究開発だけの問題ではない。企業の仕組みや社会全体の構造が重要な役割を果たす。

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