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小宮一慶の週末経営塾

経営者は「平均値」で物事を見てはいけない

小宮一慶
【第54回】 2016年12月17日
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「取り残された」と感じている社員に気づけるか

 知識人の多くが予想していなかった英国のEU離脱や米国のトランプ大統領の誕生――今年は世界の政治や経済に大きな影響を与える想定外の出来事が多く起こりました。

小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 その本質をひと言で表せば「取り残された人のパワーが予想以上に大きかった」ということです。

 Brexit(ブレグジット)が取り沙汰されていた当時、私はセミナーで英国の経済成長率とドイツの経済成長率を比較した表を示して、実は英国のほうがEUの優等生と評価されていたドイツよりも成長率が高いことを指摘しながら話しました。

 英国がEU加盟の恩恵を受けて他の加盟国より経済的に発展した事実は、国民投票の結果を受けて辞任したキャメロン首相も、英国の知識階級も、繁栄の波に乗って豊かになった人々も知っていたはずです。だから離脱派が勝つはずがないと思っていたのです。

 しかし、実際は繁栄から取り残された人たちのパワーが勝ったのです。

 繁栄から取り残された人たちは統計など見ていないし、自分の周りの繁栄する人たちの生活を横目で見て、自分たちの生活が豊かになったという実感も得られず、離脱に票を投じたのです。トランプ現象も全く同じ構図です。

 この教訓は会社経営に生かすことができます。

 この1年を振り返って経営者に、業績=良かった、給料=そこそこに払った、福利厚生=充実させたという自負があっても、社員は違う思いを抱いているかも知れないことを理解しておくべきです。取り残されたと感じている一部の社員は不満すら覚えている可能性があります。

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小宮一慶

京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は100冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。


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経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。

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