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山崎元のマネー経済の歩き方

運用界の“神学論争”に決着をつける

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第167回】 2011年3月1日
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 市場平均並みの利回り実現を目指す「インデックス運用」がいいのか、市場平均を上回る利回りを目指す「アクティブ運用」がいいのか──この論争には、それぞれに熱烈な信者がおり、「神学論争」にもたとえられる。そもそも運用ビジネス自体が、効果(現世利益)の曖昧なサービスを顧客に売り込む宗教とそっくりのビジネスモデル。異なる宗派の主張が衝突したときに、神学論争的な議論が起こることに不思議はない。

 しかし、この論争は不毛だから、もうやめたほうがいい。はっきりいって、結論は出ている。幸い筆者は、どちらの宗派にも属さないので、論争の調停を試みよう。

 まず、平均的に期待できる運用利回りについては、市場平均を代表するインデックス運用はアクティブ運用を上回ることが確実だ。市場平均運用以外の運用をアクティブ運用と呼ぶなら、アクティブ運用の平均が再び市場平均になる。すると、運用商品としての手数料が安いぶんだけ、インデックス運用の利回りがアクティブ運用に勝つことが明白だ。これは、市場が効率的であるか、という別の神学論争に関係なく成立する真理だ。持ち合いの株式や、偏りのある個人の株式保有に対して、プロのアクティブ運用者の多くが勝つ状況も起こりうるが、どの業種どの銘柄が勝つのかを予想することは市場参加者にとって、等しく難しい。

 アクティブ運用の平均がインデックス運用に勝てないなら、投資家が、相対的に優れたアクティブ運用を「事前に」高い確率で見つけることができるのかが問題になる。「いいアクティブ運用」を事前に見つけられないなら、アクティブ運用の利回りの期待値は手数料がより高い限りインデックス運用に勝てない。残念ながら「見つけられない」のが圧倒的な現実だ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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