子育てとは、子どもに同じことを何百万回も言う生活! 誰がやってもそうなるので、どうせ言うなら楽しく言おう
【総フォロワー数31万人】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。

同じ「大丈夫」でも大違い! 子どもを安心させる親、追い詰める親Photo: Adobe Stock

人間関係は共感力があるか否かで大きく変わってきます。共感力がある人は周りから好かれて信頼されます。もちろん親子関係においても同じで、共感力のある親は子どもから大いに信頼され、なんでも話してもらえるようになります。

自分に共感力があるか否かを知るうえで、参考になるのが口ぐせです。
共感力がある人の 口ぐせとしては次のようなものが考えられます。

1 嫌だよね。大変だね。困るよね。つらいね。
2 わかるよ。悲しいね。苦しいね。
3 そうだね。ですよね。だよね。ホントだ。
4 そうそう。その通りだね。
5 うれしいね。楽しいね。いいね。よかったねえ。

相手からこのような共感的な言葉を返してもらえると、「自分の気持ちをわかってもらえた」と感じてうれしくなります。そして、共感してくれた相手への信頼感が大いに高まります。

逆に、共感力が不十分な人の 口ぐせとしては次のようなものが考えられます。

6 だけどさ。でもね。けどね。
7 そうは言っても。そんなこと言ったって。
8 何言ってるの。それはそうだけどさ。
9 あなたのせいでしょ。お前が悪いんだから仕方ないじゃん。
10 ○○しないからだよ。○○してるからだよ。
11 ○○すればいいじゃん。何で○○しないの?
12 考えすぎだよ。
13 気にしすぎだよ。気にしない気にしない。
14 大丈夫大丈夫。そんなの大したことないよ。

これらのうち、10、11、12、13、14などは、よかれと思って言っていることがほとんどだと思います。つまり、相手を励ましたりアドバイスしたりするつもりで言っているのです。

でも、いきなりこのように励まされたりアドバイスされたりすると、言われたほうはけっこう不愉快です。

なぜなら、「この人は全然自分の話を聞いてくれない。いきなり説教する。そんなに簡単なことじゃないのに。この人には自分の大変さはわかってもらえない。この人に言ってもムダだ」と感じるからです。

そうならないためには、まずは相手の話を共感的にたっぷり聞くことが大事です。励ましやアドバイスをする場合はその後にしましょう。

親子の場合は特に気をつけたほうがいいと思います。なぜなら、子どもの話を共感的に聞くことなくすぐに励ましたりアドバイスしたり、あるいはお説教モードに入ってしまう親がほとんどだからです。こういうことが続くと、子どもは何も話してくれなくなります。

◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。