子育てとは、子どもに同じことを何百万回も言う生活! 誰がやってもそうなるので、どうせ言うなら楽しく言おう
【総フォロワー数48万人】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。

親の「いじり」で傷つく子どもたち…いつまでも癒えない悲しみとは?Photo: Adobe Stock

50代のKさんは、子どものころ父親に「お前、左から見ると不細工だな」と言われたそうです。
それからは、人と話すときにちょっと首をひねって不細工と言われた方があまり見えないようにしていたとのこと。大人になった今でもその癖が抜けないそうです。

30代のYさんは、子どものころ親に「橋の下から拾ってきた」と言われたそうです。
それで「今のママパパは自分の本当の親じゃないんだ」と思って、それを誰にも言えずかなり苦しんだそうです。

このように、言うほうは何気なく言ったことが相手を傷つけることはよくあることです。
特に、親からわが子への「からかい」や「いじり」には気をつける必要があります。子どもをかわいいという気持ちから親しみを込めて言ったりすることがあると思いますが、子どもがその気持ちをくみ取って受け流せるとは限りません。

例えば次のようなからかい・いじりは要注意です。

1,容姿や体型へのからかい・いじり

顔がお猿さんみたい。ぽっちゃりしてるね。足が太いよね。背が低いなあ。女のくせにのっぽだ。眼鏡が似合わないね。

2,能力や学力へのからかい・いじり

頭が悪いな。運動神経ゼロだね。リズム感ゼロじゃん。音痴だね。不器用だな。字が下手。

3,性格や気持ちへのからかい・いじり

あんたケチだね。そんなことで泣くのは泣き虫だよ。怒ってばっかりの怒りんぼさん。お前の泣き方はサイレンみたい。(嫌いな虫をわざと近づけるなどして)怖がり屋さんだね。意気地がない。赤ちゃんみたいな甘えん坊。

4,他の子と比較したからかい・いじり

妹のほうが賢いな。弟に負けてるよ。お姉ちゃんの爪の垢を煎じて飲んだほうがいい。

5,出自に関するからかい・いじり

お前は橋の下から拾ってきた。○○からもらってきた。

親が愛情表現やユーモアのつもりで言ったことでも、子どもは真に受けてしまうかもしれません。誰にも言えず長い間引きずる可能性もあります。
それが子どもの自己肯定感の低下や、親子関係の悪化に繋がりかねないので気をつけましょう。

◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。