★子育てとは、子どもに同じことを何百万回も言う生活! 誰がやってもそうなるので、どうせ言うなら楽しく言おう★
【総フォロワー数48万人】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。

「パパが帰ってきたら怒ってもらうからね」「後でママに叱られるよ」「静かにしないとお店の人に怒られるよ」「ちゃんとやらないと先生に怒られるよ」。
自分が叱っても子どもが言うことを聞かないとき、このような言い方をしたことがないでしょうか?
もちろん、このように自分より力や権威がある他者を持ち出して脅せば、その場では言うことを聞くかもしれません。でも、副作用が非常に大きいのでやめたほうがいいです。
副作用1
こういう言い方は、子どもとしっかり向き合う責任を放棄して他の人に丸投げしているということです。子どももそのことに気づくので信頼感が大きく失墜します。子どもはますます言うことを聞かなくなります。
副作用2
叱ることを押しつけられた人に、よい感情を持てなくなる可能性もあります。例えば「パパが帰ってきたら叱られる」と思えば、パパが帰ってくるまでイヤな気持ちで待つことになります。こういうことが多くなるとパパによい感情をもてなくなります。
副作用3
叱られたくないから守るという状態になるだけなので、「なぜそうする必要があるのか」をしっかり理解できたということではありません。ですから、本当の学びにはなっていないわけで、同じことを繰り返すことになります。
このような副作用が大きいので、他者を持ち出して脅すのはやめましょう。もちろん自分自身で脅すのもよくありません。脅してしつけたり言うことを聞かせたりするのは、即効性があるのでついやってしまいがちですが、親子関係が悪くなり自己肯定感と他者信頼感が低下するなどの副作用が大きいのでやめましょう。
うまくいかないことがあったときは次の3つのことに心がけましょう。
1,「なぜできないのか?」と、子どもを冷静によく観察して問題点を見つける
2,その問題点を解決するための合理的な工夫をする
3,それでもムリなことは、叱ることなく手伝ったりやってあげたりする
以前は、手伝ったりやってあげたりすると自立の妨げになると考える人が多かったですが、発達心理学の研究でそれは否定されました。
子どもができないことをいつまでも叱り続けていると、親子関係が悪くなり子どもの自己肯定感も下がります。それだとかえって自立の妨げになってしまいます。
手伝ったりやってあげたりしたほうが、親子関係もよくなり子どもの自己肯定感も育ちます。そのほうがはるかに子どものためになりますし、自立にもつながります。
◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。