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森信茂樹の目覚めよ!納税者

Uber運転手の税や社会保険は?追いつかない現行制度

森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]
【第127回】 2017年1月7日
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新たなビジネス形態
「ギグ・エコノミー」とは

 お正月の新聞各紙が特集でこぞって取り上げていた話題に、シェアリングエコノミーがある。宿泊施設を仲介するエアビーアンドビー(以下、Airbnb)がその代表例だが、配車サービスのウーバー(以下、Uber)など世界的にサービスが拡大している。

 このようなシェアリングエコノミーは、新たなビジネスモデルで、われわれの経済行動に大きな変化や影響をもたらす。新たなビジネスの開拓であると同時に既存の業態への挑戦でもあり、そのメリット、デメリットを含めて、規制の在り方などが議論されている。

 シェアリングエコノミーを象徴する経済用語に、「ギグ・エコノミー」(gig economy)という言葉が使われる。これは、「インターネットを通じて単発の仕事を受発注する非正規労働によって成り立つ経済形態のこと」(投資用語集より)と定義されている。

 ここでは、配車サービスのUberを取り上げ、わが国の働き方改革との関係や、税金、社会保険の問題を考えてみたい。

 筆者の最大関心事は、Uberで働く「非正規労働」者、つまり、Uberと契約して運転手として働く人の税金や社会保険料負担である。現行の税制と社会保険料が、この「ギグ・エコノミー」に追いついていないという問題意識である。

 実はこの問題は、すでに英国で財務大臣などが取り上げる大きな問題となっている。彼らの認識を、英国政府の文書から見てみよう。

 この文書は、財務省の一部局で、英国の税システム簡素化を担うOffice of Tax Simplificationが、OTS Gig Economy Focus Paperとして公表したもので、ここから入手できる。

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森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]

(もりのぶ しげき)法学博士。東京財団上席研究員、政府税制調査会専門家委員会特別委員。1973年京都大学法学部卒業後、大蔵省入省、主税局総務課長、東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、財務省財務総合研究所長を最後に退官。その間大阪大学教授、東京大学客員教授。主な著書に、『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)『日本が生まれ変わる税制改革』(中公新書)など。
 

 


森信茂樹の目覚めよ!納税者

税と社会保障の一体改革は、政治の大テーマとなりつつある。そもそも税・社会保障の形は、国のかたちそのものである。財務省出身で税理論、実務ともに知り抜いた筆者が、独自の視点で、財政、税制、それに関わる政治の動きを、批判的・建設的に評論し、政策提言を行う。

「森信茂樹の目覚めよ!納税者」

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