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ポケモンGOの運動量増進効果、最初の2週間だけ!?

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第325回】

 巷で噂される「ポケモンGO(ポケGO)」の運動量増進効果は、控えめに見積もったほうがいいらしい。昨年末、英国医学雑誌(BMJ)のクリスマス特集号に掲載された報告から。

 研究者らはインターネット経由で参加者を募集し、2016年8月に「ポケGO」で生じる運動量の調査を実施。米国在住の「iPhone6」ユーザー1182人(年齢18~35歳)が参加した。

 すでに「トレーナーレベル5」以上でゲームを行っている560人(47.4%)を「プレイヤー群」、その他を「非プレイヤー群」とし、スマホに自動的に記録されるヘルスケア・データから「ポケGO」インストール前後の1日の歩数を比較した。

 さて、平均歩数の変化をみると、「プレイヤー群」のインストール後の平均歩数は、1週目で955歩/日に上昇。しかし2週目は906歩、3週目で544歩にガクッと落ちた。その後もゆるゆると減り続け、ついに6週目にして「非プレイヤー群」と同じ歩数に落ち着いてしまった。

 ちなみに、歩幅を80センチメートルとして時速4キロメートルの速さで歩くとすると、955歩は毎日11分だけ余計に歩く計算になる。1週間続ければ、遊んでいる間にWHO(世界保健機関)が推奨する「週150分間の運動」のおよそ半分を達成できるわけ。

 研究者は「効果は一時的なものであり、健康への影響はボチボチ(モデレート)といったところ」としているが、少なくとも6週間は運動量を増やした点を評価。今後は運動量だけでなく、気分転換や人と交流することによる健康効果も検討の余地があるという。

 人間は飽きっぽい生き物だ。学習も遊びも「予想以上のご褒美」が続かないと意欲は急降下する。ただ近年の研究で、誰かに「褒められる」という感情体験も脳内の報酬系を活性化し、行動の習慣化に一役買うことがわかってきた。

 ダイエットやランニングのような苦行だって「褒め合う」仲間がいれば何とか続く。「ポケGO」効果を長続きさせるコツも、報酬より仲間とワイワイ遊ぶこと、なのかもしれない。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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