一目見てお分かりいただけるように、投信ブロガーが選んだベスト・テンに売れ筋の上位5ファンドは1本も登場しない。

 なお、投資信託全体の純資産残高ランキングでは、1位から5位までと10位のファンドはETF(上場型投資信託)であり、1位の日経225連動型上場投資信託(野村アセットマネジメント)は4兆円を超える純資産を持っているが、ETFは日銀の金融緩和政策に伴う購入で残高が膨れあがっている。必ずしも投資家が持っているとは限らないので、ランキングから除外した。

 ランキングから外しておいて言うのも気が引けるが、資産残高上位に入ったETFは(筆者は日経平均連動型よりもTOPIX連動型を好むが)、運用管理手数料(信託報酬)が低廉で、良い投資対象商品だ。日銀だけに持たせておくのはもったいない。特に、NISAでじっと持つには向いている。株式と同様の売買手数料が掛かるので、ネット証券にNISA口座を開いて持つのがいい。

売れ筋上位5ファンドに
共通する悪しき特徴

 さて、売れ筋の5商品はいずれも、(1)毎月決算を行い分配金を出す「毎月分配型」の投資信託で、(2)概ね3%台の販売手数料が掛かり、(3)運用管理手数料(信託報酬)が1%台(多くは1.5%以上)だ。

 率直に言って、これら3つの特徴は、いずれも、投信を選ぶ際に「1つでもあれば、除外すべきだ」と言える決定的欠点だ。

 利益による分配金には税金がかかる。運用で利益が出ているとするなら、利益が年1回の分配に比べて、毎月分配すると課税の時点が前倒しされるので、必ず損をすることになる。

「年金を補うのにいい」などという売り文句もあるが、投資家は銀行預金を持っているだろうから、そちらのお金を使えばいい。預金も持たずに全額をこれら5本のようなハイリスクな投信で持つのは不適当だから、分配金のためにこのようなファンドを買うことが適切な行動になる可能性はゼロだ。

 短い間隔で頻繁にある分配金が嬉しいという感じ方は、行動経済学的に説明できるが、明らかに損なのだから、これは「克服すべき非合理性」だ。率直に言って、売り手は商品開発にあっても、販売にあっても、投資家側の非合理性を最大限に利用しようとしている。