中東の人たちは、できることなら中東で暮らしたいと思っていますし、暮らせるようにしてあげることが大事です。僕はそのためにはどうしたらいいのかを常に考えています。

『チョコ募金』のチョコレートとパッケージ Photo by Hiromi Kihara

 たとえば僕は今、3つの診療所をイラクのアルビルというキャンプの中に作っています。人口150万人のイラク第2の都市ですが、一時期ISに制圧され、現在は半分が奪還されました。アルビルにいる難民の中には医師や看護師や薬剤師がいます。僕たちが診療所を作り、そこに薬を供給してあげさえすれば、難民のドクターが難民を診ることが叶います。

 働く場と愛する人がいることは、絶望の中で生きて行く上でものすごく大事です。特に雇用は、治安にも平和にも重要です。テロリストに若者が流れてしまうのも、雇用の問題が大きいですよね。

『遊行を生きる 悩み、迷う自分を劇的に変える124の言葉』
鎌田 實著
清流出版
1080円(税込み)
232ページ

 この活動の資金を作るために、僕は「チョコ募金」の活動に取り組んでいます。缶入りのチョコを16万個作って1個500円で購入してもらう。全部売れると8000万円になります。チョコは北海道の六花亭製、缶は埼玉県の小さな製缶工場で作ってもらい、発送は障害者施設の共同作業所にお願いしています。

 皆が少しずつ発想の転換をしなくてはいけない今、こういう事業も「遊行」の1つかなと。
 遊びのようなつもりで、だけど資本主義のルールの中で、面白いことを考えて行けば、まだまだやれることは多いんじゃないかなと思います。

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「遊行」には、一人ひとりの人間の意識を変え、さらに世界を変える力がある。「124の言葉」には、単なる啓発本を超えた大いなる野望が秘められているのだ。