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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

忠誠はどこまで要求できるか
組織が直面する最大の課題は
“善意の専制”の制御である

上田惇生
【第233回】 2011年3月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
1890円(税込)

 「いかなる社会的機関といえども、市民に対し全面的な忠誠を要求することはできない。この多元性にこそ、われわれの社会の力と自由の源泉がある」(ドラッカー名著集(3)『現代の経営』[下])

 ドラッカーは、「今日のように、組織が経営幹部に対して父権的な権限を行使し、特別の忠誠を要求することは、社会的に無責任な権力の濫用だ」という。

 また、「公共の利益のみならず、企業自身の利益からも正当化できる余地はない。組織は、個人にとって家庭、宗教、生活、運命ではない。そうあることを求めることもできない」ともいう。

 われわれは、これらの言が、人と人の絆、組織のコミュニティ性を重視するドラッカーの言であることを銘記しておかなければならない。

 組織は個人の私生活や市民活動に干渉することはできない。個人は自発的に、しかも解消することのできる雇用契約によって結び付いているのであって、生まれたときからの、神秘的で解消不能な絆によって結び付けられているのではない。

 そこでわれわれは、組織が自らの経営幹部に対して、NPOにおけるボランティア活動を強制するがごとき新手の“善意の専制”をいかに制御するかという課題に直面する。

 「われわれは、企業の行動が公共の利益を促進するか、社会の基本的な信条を前進させるか、社会の安定、力、調和に寄与するかをつねに考える必要がある」(『現代の経営』[下])

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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