様々なシーンで急速にクラウド化が進み、サービスも続々と登場している昨今、必要な情報をどのクラウドサービスで保管しているのかわからなくなってしまったという経験はないだろうか。そんなときに利用したいのが「Greplin」というウェブサイトである。
「Greplin」は、個人向けに最適化された「パーソナル検索」であるとされる。その特長は、GmailやDropboxなどのクラウドサービス内のメールやファイルを検索してくれる点である。さらに、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアも検索できる。
つまり、ファイルやメールの捜索のみならず、それに関連した最新情報までも横断検索してくれるというわけである。たとえば、検索フォームに「電子書籍」と入力してみる。すると、Dropboxに置きっぱなしになっていたメモ書きや未読のままのメルマガ、Twitterのツイート、Facebookの書き込みなどがずらりと表示される。TwitterやFacebookの情報は、フォロワーやFacebookページ(旧ファンページ)の情報までもヒットする。
「パーソナル検索」の利点は、予め「自分」というフィルターを通して取捨選択したものの中から、さらに情報を絞り込むことが可能な点だろう。ノイズが少ないぶん、自分が求める最適な情報へ効率的にアクセスすることができる。
もう1つの利点は、「Greplin」を起点とすることで、情報のマッシュアップを図るきっかけになることだろう。過去のメモ書きと最新のツイート情報を併読することで、自分でも思いもよらないアイディアが浮かんだりするかもしれない。マッシュアップとは本来、異なるウェブサービスを組み合わせることで、想定外の効果をもたらすケースを指す言葉だが、「Greplin」を利用すると、自分自身の中で不可思議な化学反応を起こしてくれるような気になってくる。
「Greplin」では現在、3種類のプランが用意されており、同サイト内に作成されるインデックスの容量ごとに差別化されている。「Free」プランは文字通り無料だが、容量は200MBまで。月額4.99ドルの「Premium」プランは500MB、「Premium Plus」の場合は、月額14.99ドルで2000MBまでインデックスを作成することができる。
また、連携可能なサービスもプランによって異なる。たとえば「Free」プランだと、今や絶大な人気を誇る「Evernote」が利用できない。「Evernote」は、「Greplin」の真価をいかんなく発揮できるサービスの1つと思われるだけに、ユーザーとしてはぜひとも活用したいところだろう。
日本語の検索精度にはまだ課題があるようだが、一度試してみるとその便利さに驚くことだろう。今後注目のサービスとなることは間違いない。
(中島 駆)