経営×総務
社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント
【第7回】 2017年1月31日
著者・コラム紹介 バックナンバー
笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

心の病で休職中・復帰直後の社員を「食事で底上げ」する方法

メンタルヘルスで休職すると、外出に罪悪感を感じる人も少なくありません

 脳も肝臓と同じように臓器のひとつである、という事実を実感する場面はほとんどありませんが、暴飲暴食が体には悪いけれど脳には良い、とは考えにくいものです。体にとって負担になる食べ方は、当然、メンタルにも影響を及ぼしてきます。皆さんは、休職による生活の変化を想像したことはありますか?今回は、メンタルヘルスで休職中・復職後の社員の食事について取り上げます。

心の病に糖質過多・タンパク質不足が追い打ちをかける

 「いやー、ちょっと大変な部署なんですよね。食生活も関係していると思うんですけど…」

 研修担当者がそう紹介した部署は、締め切りが頻繁に生じる環境かつ、大きな判断を任されることが多く、仕事においても人間関係においても強いストレスを感じやすい組織でした。私が担当する企業の中では、情報システムや営業の部署が多いように感じます。

 業務や人間関係など様々な原因が考えられますが、メンタルヘルスに問題を抱えたとき、やる気、集中力、睡眠の質が低下することがあります。これらは疲れている時に起きることもありますが、栄養の面からいうと、糖質過多でタンパク質が不足しているときにも起こり得ます。

 ただ、メンタルに負担がかかるとき=仕事が忙しいときでもあるので、そんな時は限られた時間で食事を済ますために、簡単に食べられるメニューを選びがちです。菓子パンやサンドイッチ、おにぎりなど片手でつまめるもの、もしくはカップ麺のように流し込んで食べられものを選ぶ人もいるのではないでしょうか。食べ方を変えれば解決する問題ではないにしても、今の食べ方が弱ったメンタルに追い打ちをかけている可能性は拭えません。

休職しても不安は尽きない

 では、メンタルヘルスに課題を抱えて休職することになったとき、どのような生活を送ることになるでしょうか。たとえ職場でストレスが引き金になっていたとしても、休職したからといってストレスから完全に解放されて家でリラックスして過ごす、ということはほとんどないでしょう。

 「職場に復帰できるか」、「今後の生活はどうなるのか」、そして、症状が改善して復職への準備が始まっても、「本当にやっていけるのか」「また同じことにならないか」など不安は尽きないものです。

経営×総務 特集TOPに戻る

笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

東京都生まれ。聖心女子大学文学部哲学科を卒業後、栄養士免許取得。現在、栄養士、食事カウンセラー、フードアナリストとして活躍中。都内心療内科クリニック併設の研究所での食事カウンセリングやセミナーなどで、これまでに携わった8000通り以上の食事記録をもとに食事指導を行っている。また、“食卓に笑顔を”の願いのもと、『Smile table』を主宰し、ビジネスマン向けに企業内研修、カウンセリングをするほか、ワークショップなども実施している。
著書には『10年後も見た目が変わらない食べ方のルール』(PHP新書)、『成功する人は生姜焼き定食が好きだ』(晋遊舎新書)、『甘い物は脳に悪い すぐに成果が出る食の新常識 』(幻冬舎新書)などがある。

 


社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント

かつて社員の病気や体調不良は、自己責任というイメージが強くありました。しかし今、社員の健康上の問題は、会社の経営・業績に大きな影響を及ぼしかねません。この連載では、職種などで異なる「特有な働き方の問題点」、それに伴う「食事の問題点」を紐解きながら、人事・総務部はどのように対処すれば改善すべきか、栄養士の目線から解説します。

「社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント」

⇒バックナンバー一覧