経営×総務
社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント
【第2回】 2016年10月11日
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笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

ITエンジニアの心の病は“食事の仕方”にも原因があった

1日3食がコンビニ飯
同僚とランチはレアケース

毎日のランチ、コンビニ食や栄養補助食品ばかりになっていませんか?

 今回は、エンジニア職の食生活についてみていきましょう。

 最近増えているIT系のエンジニアは、社内、もしくは出向先でも、デスクでパソコンに向き合う仕事が多いために長時間同じ姿勢が続き、活動量は少ない方だといえます。また、私が研修をさせていただいた…つまり、すでに社員の健康を問題視している企業においては、チームでお仕事をするよりも、個人がそれぞれにタスクをかかえていることが多く、周囲とのコミュニケーションも少ない傾向にありました。

 そのような働き方の影響もあり、食事記録を拝見していると、食事のときも、デスクで仕事をしながらひとりで食事を摂っているケースがよくみられます。同僚と近くのお店にランチに行く、というのはレアな印象です。

 たとえば、20代のAさんのある日の食事は次のようなものでした。

朝 菓子パン(コンビニ)
昼 カップ麺(コンビニで朝食と一緒に買っておいたもの)
間食 アーモンドチョコ 1箱(上に同じ)
夜 弁当(コンビニ)

 平日は、1日の食事が見事にコンビニだけで成り立っています。30代、40代にもなれば、カップ麺がおにぎりになったり、間食のチョコが栄養補助食品やシリアルバーになったりと選択するものが変わってきますが、「デスクで食べられるもの」を軸に選んでいることには変わりがありません。また、少しでも時間を節約するため、朝の通勤時に間食までの分を買いだしたりと効率的に動かれる方もいらっしゃいます。

 一方、会社にカフェテリアがあり、ランチタイム以外にも一日中スナックがある、という恵まれた環境の方は、次のような食事を摂っていました。

朝 マフィン1個、デニッシュパン1個、コーヒー(会社)
昼 焼き魚定食、サラダ(会社)
夜 カレーライス(外食)

 朝はごはんと味噌汁派だったのが、カフェテリアのある会社に転職して以来、「会社で食べる分にはお金を使わなくていいから」と置いてある甘いもので済ますようになったそうです。また、お昼は魚や野菜を積極的に摂るようにして健康には気を使っているつもりが、「お昼にこれだけ食べているし…」という気持ちから、夜の食事は安くて早いものを選ぶことが多いのだそうです。

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笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

東京都生まれ。聖心女子大学文学部哲学科を卒業後、栄養士免許取得。現在、栄養士、食事カウンセラー、フードアナリストとして活躍中。都内心療内科クリニック併設の研究所での食事カウンセリングやセミナーなどで、これまでに携わった8000通り以上の食事記録をもとに食事指導を行っている。また、“食卓に笑顔を”の願いのもと、『Smile table』を主宰し、ビジネスマン向けに企業内研修、カウンセリングをするほか、ワークショップなども実施している。最新の情報などはこちらへ。
著書には『甘い物は脳に悪い』『成功する人は生姜焼き定食が好きだ』がある。
文化放送「オトナカレッジ・健康学科」に隔週木曜日出演中。詳しくはこちらから→オトナカレッジHP
ポッドキャスト「オトナカレッジ・聴く図書館」でも聴けます。番組紹介動画はこちら

 


社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント

かつて社員の病気や体調不良は、自己責任というイメージが強くありました。しかし今、社員の健康上の問題は、会社の経営・業績に大きな影響を及ぼしかねません。この連載では、職種などで異なる「特有な働き方の問題点」、それに伴う「食事の問題点」を紐解きながら、人事・総務部はどのように対処すれば改善すべきか、栄養士の目線から解説します。

「社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント」

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