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阪神・淡路大震災後のように需要に応えられるか
被災エリア復興で問われるハウスメーカーの力

吉崎誠二 [ディー・サイン不動産研究所所長、不動産エコノミスト]
【第61回】 2011年3月28日
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 東日本大震災によって被る打撃は、被災地だけでなく日本経済全体に及ぶことが確実だ。地震や津波による直接的な被害、原発事故による放射能被害、計画停電がもたらす影響など、(先の戦争を除けば)これまで日本が経験したことのない事態となっている。 しかし、ほんの少しずつではあるが、復旧が進んでいる状況が報道されると、うれしい気持ちが心にじわっと広がってくる。被災された方々・地域の復旧・復興を心から祈っている。

 テレビを見ているだけでは、被災地の建物の被害状況はよくわからない。津波に飲み込まれてしまった地域の映像は何度も放映されてはいるが、仙台市街地のような都市部の様子はあまり映し出されていないからだ。私が聞くところでは、津波が押し寄せた地域を除けば、倒壊した家や建物はそれほど多くなく、直下型地震だった阪神・淡路大震災のように倒壊家屋の多さが目立つ状況ではないという。しかし、被害の範囲が比較にならないほど広範囲であるから、今回の地震による倒壊家屋は阪神・淡路大震災以上になるだろう。

 J-REIT法人各社は、震災発生の翌日あるいは(土日をはさんで)翌月曜日には、被災地域にあるポートフォリオに組み込まれている物件の状況報告をリリースした。そのなかでは、該当物件は概ね問題はなく、損壊があったとしても軽微なものだ、と報告されている。

 では実際、地震の発生はハウスメーカーやビルダー、工務店へどのような影響を及ぼすのだろうか。

阪神・淡路大震災後、急増した建替需要
業績を伸ばしたハウスメーカーやディベロッパーも

 株価の推移をみてみると、東証業種別株価指数における建設・資材系は大震災以降、大きく値を下げたものの、その後回復している。これは株式相場全体よりもかなりよい状況といえる。市場は他の業種に比べて、こうした産業は復旧・復興需要を見込んでこれから期待できる、と見ているようだ。

 阪神・淡路大震災が発生した時、私はちょうど社会人になる直前で、実家のある伊丹市におり、激しい被害にあったエリアからそう遠く離れていなかった。私自身も1週間程度は避難所で過ごしたが、比較的自宅の損壊が軽微だったため、早く戻ることができた。そしてその後、知人などに物資を届けるために何度か激しく被災したエリアに入った。

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吉崎誠二 [ディー・サイン不動産研究所所長、不動産エコノミスト]


早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。船井総合研究所上席コンサルタント・Real Estateビジネスチーム責任者を経て、現在、ディー・サイン不動産研究所所長に就任。不動産関連企業・ハウスメーカー・設備関連メーカーなどを中心にコンサルティングを行う傍ら、不動産エコノミストとしてデータ分析、一般・投資家・企業向けの講演を多数行う。著書に『2020年の住宅・不動産市場』(朝日新聞出版)『「消費マンション」を買う人 「資産マンション」を選べる人』(青春出版社)など9冊。連載はダイヤモンド・オンラインをはじめ、各種媒体に月間6本を担当。オフィシャルサイト&ブログ http://yoshizakiseiji.com/blog/

 


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