
2023年現在、日本は石油の97%近くを湾岸諸国から輸入しています。ウクライナ侵攻により、ロシアからの石油の輸入を止めた結果、日本は石油のほとんどを中東に頼っている状況にあります。今や中東の動向は、決して対岸の火事ではありません。もしも日本と中東の関係がギクシャクしてしまったら、冗談抜きで日本の生活は激変する可能性があります。「遠い国で戦争をしているから僕たちには関係ない」とはいかないのです。
中東の混乱はエネルギー問題を再考する好機
2023年現在、日本は石油の輸入を97%近く湾岸諸国に依存しています。ウクライナ侵攻によって、日本はロシアから石油を一切輸入しなくなりました。その結果、石油のほとんどを中東に頼っている状況にあります。もしも日本と中東の関係がギクシャクしてしまったら、冗談抜きで日本の生活は激変する可能性があります。
実際、総務省が公表する「消費者物価指数」を見ると一目瞭然です。2022年12月の同指数上昇率は、前年同月比で4.0%。たった1年でこれほどまで上昇するのは、消費税率引き上げの影響を除くと実に30年ぶりでした。
とりわけ、「前年同月との比較(10大費目)」の中にある「食料」「家具・家事用品」の上昇率は顕著で、「光熱・水道」にいたっては、前年比から約23%も上昇しています。
どうして、たった数年でここまでインフレが進んでしまったのでしょうか。背景にあるのは、ロシアによるウクライナ侵攻と、急速に進行した円安です。遠い国で戦争をしているから僕たちには関係ないとはいかず、川上で生じた世界的な影響は、川下である日本の家計にまで到達するということです。
石油価格が上がると、プラスチックなどの梱包資材類の価格も上がってしまいます。最近は、卵の価格上昇は、梱包するためのプラスチックを製造するコストが上がっていることも要因の一つです。また、ガソリン価格が高ければ宅配便などにも影響を及ぼします。
このように、石油価格が上がるということは、生活に欠かせないたくさんのものに影響が出てしまうということです。ロシアと欧米諸国の関係悪化や、中東との関係性にひびが入るようであれば、ますますこうしたリスクは高まっていくわけです。
日本の中東との関わり合いを考えたとき、日本のエネルギー問題は無視することができず、僕たち国民一人ひとりがきちんとこうした問題に関心を持たなければいけません。今や中東の動向は、決して対岸の火事ではありません。