ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識

マイナス金利で預金をどんどん増やす「持ち家活用」の奥の手

沖有人 [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]
【第38回】 2017年2月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
ある日、気がついたら銀行口座の預金残高が勝手に何十万円も増えている――。マイナス金利の現在ではあり得ない出来事だが、今年の確定申告ではこんなマンション購入世帯がたくさん出そうだ。それはなぜか?

 Aさん夫妻はマイナス金利で30万円、口座残高が増えた。今年は、こんなマンション購入世帯が確定申告でたくさん生まれる元年になりそうだ。マイナス金利下では、預金をしても利息はスズメの涙ほどにしかならない。しかし、マイナス金利と持ち家優遇税制を組み合わせると、キャッシュが生まれてしまう。実は、この制度は10年間適用され続けるので、購入時に300万円のキャッシュ増加が確定することも夢ではない。

金利よりも税還付の方が大きい?
持ち家の常識はこう変わった

 持ち家取得における住宅ローン控除は、10年間で最大400万円(=40万円×10年)の税還付を受けられる(認定住宅の場合、500万円)。これに対して、マイナス金利の影響で10年間に支払う金利は400万円を下回るケースが増えてきた。おおまかに計算すると、4000万円の借入れの場合、1%の金利ならば40万円の年間金利総額なので、金利が1%を割り込むと40万円の還付金を下回ることになる。

 こうした状況下で、たとえば金利が30万円に対して税還付が40万円になると、住宅ローンを借りて10万円キャッシュを増やしたことになる。つまるところ、この制度は金利が1%を大きく割り込むことを想定していなかったのだろうと想定される。こうして、個人が住宅ローンを低金利で借りた分だけマイナス金利の恩恵を受けられるようなことが起こる。

 実例はこうだ。5500万円を0.5%の金利で35年ローンで借りると、当初10年の金利は240万円ほどになる。400万円の税還付を受けると、プラス160万円のキャッシュが生まれる。つまり、これは160(キャッシュ増)÷5500(借入額)=0.3%のマイナス金利に相当する。これを所得がある夫婦2人で行うと、160万円×2人=320万円のキャッシュが生まれることになる。それも10年間固定金利であれば、10年間のキャッシュフローは購入時点で確定することになる。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

沖有人(おき・ゆうじん) [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、2社を経て、1998年、現スタイルアクト株式会社を設立。マンション購入・売却者向けの「住まいサーフィン」は17万人以上の会員を擁する。「タワーマンション節税」などの不動産を使った節税の実践コンサルティングに定評があり、不動産分野でのベストセラー作家として講演・寄稿・取材・テレビ出演多数。主な著書に『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書、2012年)、『マンションを今すぐ買いなさい』(ダイヤモンド社、2013年)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書、2014年)など。


ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識

不動産は個人資産の半分を占めるにもかかわらず、プロとの情報格差が大きい。この情報格差を少しでも解消できれば、個人はもっと多角的な視点から「よい物件」を選ぶことができ、将来を見据えた資産形成が可能となる。「自宅投資」「資産インフレ予測」「タワーマンション節税」などをメディアで提唱し、新たなムーブメントを起こしてきたスタイルアクト株式会社の沖有人代表取締役が、これまで蓄積した「不動産ビッグデータ」を基に、住宅の選び方に関する「新しい常識」を徹底指南する。スタイルアクトが自宅を投資になぞらえて情報提供している「住まいサーフィン」では、17万人の会員のうち、自宅査定ツールで7割が含み益を出していることから、資産形成した人数は12万人相当と想定される。株や投資信託のように学習することで、プロ顔負けの資産形成ができる手法はある。沖社長が次に提示する不動産の秘策は、これまで同様「早い者勝ち」となるかもしれない。

「ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識」

⇒バックナンバー一覧