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ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識

なぜ自宅購入は不動産投資より、よほど儲かるのか?

沖有人 [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]
【第37回】 2017年1月19日
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自宅を購入する前に不動産投資をしていると、住宅ローンが引けずに持ち家の取得を断念せざるを得ない人が頻出する。そのくらい不動産投資は儲からないと考えた方がいい

 自己破産する家主が増加しているという。節税を伴わない不動産投資は儲からない確率が高いので、私は勧めていない。自宅を購入する前に不動産投資をしていると、住宅ローンが引けずに持ち家の取得を断念せざるを得ない人が頻出する。そのくらい不動産投資は儲からないと考えた方がいい。なぜ持ち家がOKで投資がNGなのか、その理由を明らかにしておこう。

不動産投資は儲からない?
購入前に事業収支を必ず計算

 不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンと言われる。ある程度リスクもリターンも購入前に想定できるということだ。リスクは賃料下落・空室・売買価格の下落などであり、リターンは賃料収入になる。わかりやすく表現するには、いつも以下の簡易な方程式で説明している。

●不動産投資の新方程式:収支=利回り-金利-税金-譲渡損益

 自宅購入と不動産投資を対比させて説明するのが一番わかりやすい。

 利回りは自宅の場合、自分が住んでいるので100%稼動しているが、投資は空室リスクがある。金利は自宅の場合は1%未満と低く、投資の場合は3~4%になるケースがある。

 通常の自宅マンションの利回りが4%ほどなので、金利で3~4%もあるとすでに利鞘がなくなっている計算になる。

 税金は自宅はかなり優遇されている。ローン控除や固定資産税などの軽減や譲渡所得(売買益)控除まである。これに対して、投資は重税で賃料収入(法人税・所得税)や売買の時点(不動産取得税・登録免許税)や保有期間(固定資産税・都市計画税)に渡って多額にかかる。つまり、税引き後の利回りから金利を引いたら、マイナスになっているケースもある。

 譲渡損益はたいていがマイナスになる。特に、新築ワンルームを購入した人ほど下がりやすい。5年経過で25%価格が下がるのがこれまでの平均値だ。この下落スピードは1年換算で5%だから早過ぎる。

 これらを総合すると、自宅マンション購入の損益は50:50の確率になるのに対して、新築ワンルーム投資は90%以上の確率で利益が出ない。どちらも不動産事業収支のソフトに数字を入れてシミュレーションをすれば、答えはすぐわかる話だ。だからこそ、事前に事業収支を必ず計算すればリスクを認識することができる。

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沖有人(おき・ゆうじん) [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、2社を経て、1998年、現スタイルアクト株式会社を設立。マンション購入・売却者向けの「住まいサーフィン」は17万人以上の会員を擁する。「タワーマンション節税」などの不動産を使った節税の実践コンサルティングに定評があり、不動産分野でのベストセラー作家として講演・寄稿・取材・テレビ出演多数。主な著書に『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書、2012年)、『マンションを今すぐ買いなさい』(ダイヤモンド社、2013年)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書、2014年)など。


ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識

不動産は個人資産の半分を占めるにもかかわらず、プロとの情報格差が大きい。この情報格差を少しでも解消できれば、個人はもっと多角的な視点から「よい物件」を選ぶことができ、将来を見据えた資産形成が可能となる。「自宅投資」「資産インフレ予測」「タワーマンション節税」などをメディアで提唱し、新たなムーブメントを起こしてきたスタイルアクト株式会社の沖有人代表取締役が、これまで蓄積した「不動産ビッグデータ」を基に、住宅の選び方に関する「新しい常識」を徹底指南する。スタイルアクトが自宅を投資になぞらえて情報提供している「住まいサーフィン」では、17万人の会員のうち、自宅査定ツールで7割が含み益を出していることから、資産形成した人数は12万人相当と想定される。株や投資信託のように学習することで、プロ顔負けの資産形成ができる手法はある。沖社長が次に提示する不動産の秘策は、これまで同様「早い者勝ち」となるかもしれない。

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