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日本から遠く離れた雲南省昆明で開かれた
中国メディアも報じない涙の震災追悼式

山谷剛史 [フリーランスライター]
2011年3月30日
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 東日本大震災に関するニュースは、中国でも連日報道されている。テレビ、新聞、インターネットだけでなく、バスや地下鉄内に設置されたモニターでも被害の状況が刻々と報じられ、日本に興味があるなしにかかわらず、数億人もの都市部の住民がその惨状を目にしている。

 そうしたなか、中国の各地で民間レベルの募金運動が盛んになっている。各都市の繁華街、学校、ショッピングモールなど至る所に募金箱があった四川大地震(2008年5月12日)の後ほどではないが、上海や北京などの大都市では街中で募金活動が行われている。日本人留学生や知日派の中国人大学生などが中心となって追悼式を行う動きもある。

 こうした募金活動や追悼式が行われていることは中国メディアによって国民にも伝わっているが、すべてが報じられているわけではない。

 中国の他省と比較して相対的に日本とのつながりが薄い中国西南部の雲南省。震災前日の3月10日に同省西南部にある盈江県で25人の死者を出したマグニチュード5.8の地震「盈江地震」が発生したばかりだ。そんな同省の省都である昆明でも、語学学校の主催で「311日本地震愛心活動」という追悼式が行われ、中国でも最少規模の日本人ビジネスマンコミュニティである雲南日本商工会の会員も招待された。今回は、中国の大手メディアが報じていないこの追悼式の一部始終を紹介したい。

 76人の地元の社会人や学生らが集った会場には、蝋燭の灯りでハートと地震発生日の311を描いた空間があり、日本式生け花が生けてあり、プロジェクターで震災直後の映像が流れていた。式が始まると、司会者が日本の被害状況を伝えた。「同じアジア人だからこそ、中国と日本は一衣帯水であり協力しなければいけない。四川大地震の時には、日本人は真っ先に救援に来てくれた」等、中国と日本との関係を語り、それに続いて式に参加した人たちの紹介が行われた。

 まずひとりの中国人女性とその母親が紹介された。東京に1年半留学し昆明に戻ってきたばかりという留学生とその母親だ。母親が涙ながらに「日本人に助けられた。娘は帰ってきてからも日本のいいことばかりしか話さなかった」と語った後、「震災で両親が心配しているのでやむなく帰国の途についた」と娘が語り始めた。

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山谷剛史 [フリーランスライター]

日本人の立場から中国のIT事情を紹介する。執筆の他、講演も行う。著書に「新しい中国人 ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)


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