【IRレポート/バロックジャパンリミテッド】カジュアルデニムを中国や北米でも販売! 世界に「ギャル文化」を発信するアパレル企業バロックジャパンリミテッド 代表取締役社長 村井博之(むらい・ひろゆき)

2000年代、安室奈美恵さんや浜崎あゆみさんが着用して話題を呼び、一躍ギャルファッションの代表格となったバロックジャパンリミテッド。中国や北米でも人気を博す、日本発のグローバルなアパレル企業だ。ハイカジュアルデニムで躍進を続けながら、大人向けの新たなアパレルブランドも手掛け、さらなる成長を目指している。

【どんな会社?】
渋谷109から中国、北米へとグローバルに展開

 創業は2000年。“ギャル文化”の聖地である渋谷109に、ハイカジュアルなデニムブランド「MOUSSY(マウジー)」の1号店をオープンしたのが始まりだ。

 はき心地がよく、シルエットが美しく見えるジーンズは、ファッションに敏感なギャルたちの心をつかみ、4年で100億円ブランドに成長。ギャルが神と崇める安室奈美恵さんや浜崎あゆみさんといった有名アーティストが着用したことも、人気を爆発させるきっかけとなった。

 創業当初からグローバルな事業展開を目指しており、06年に香港、10年には上海に出店。その後、中国事業は日本を上回る勢いで拡大し、一時期には中国全土で334店舗を展開した。

 株式上場した16年には、NYのマンハッタンに「MOUSSY」のアンテナショップをオープン。北米進出を果たしている。

 一方、国内では08年に郊外型ショッピングセンター向けブランドとして「AZUL BY MOUSSY(アズール バイ マウジー)」を立ち上げた。より手が届きやすい価格帯のおしゃれなデニムは全国の女性に受け入れられ、25年3月時点で121店舗を誇る。

 ほかにも、「SLY(スライ)」、「rienda(リエンダ)」、「RODEO CROWNS WIDE BOWL(ロデオクラウンズ ワイドボウル)」など、計17ブランドを展開している。

【何がスゴイの?】
顧客を知り尽くす店舗販売経験者をデザイナーに抜擢

 ファッションに敏感なギャルたちを魅了し、ギャルブランドの代表格としての地位を確立しているのが何よりの強みだ。

 そのブランド力を支えているのがデザインへのこだわり。同社は、敢えてプロのデザイナーではなく、店舗で販売を経験した社員の中からチーフデザイナーを起用している。接客を経験し、顧客の好みや、受け入れられやすい価格帯を理解している販売経験者なら、売れる商品やブランドを企画・デザインできる可能性が高いからだ。

 例えば「MOUSSY」は、誕生してから今年で25年になるが、常に年間国内売上が100億円前後をキープしている。

 これほど長く愛され続けているのは、同社のデザイナーたちが、時代の変化に合わせて細かく“改良”を重ねてきたから。確立されたブランドイメージはしっかり守りつつ、絶えず進化を追い求める姿勢が同社の成長を支えている。

――バロックジャパンリミテッドには、同社のファッションをこよなく愛するファン投資家も多い。そんな株主に感謝を込めて、今期より株主優待制度を大幅に拡充した。その驚きの優待内容について、次ページで詳しく紹介する。