確定申告の季節に思う
マイナンバーは面倒ばかり

 2月も2週目、確定申告が気になる季節だ。読者の中でもフリーランスで仕事をされている方などは、各所から昨年の源泉徴収票が届き、経費の領収書の整理などに取りかかっておられるのではないだろうか。筆者も、半分サラリーマン・半分事業主なので、確定申告が必要であり、申告作業を例年お願いしている税理士さんに送る書類をまとめねばと思い始めたところだ(筆者は、自分のお金に対しては、関心が薄く、事務処理能力が乏しいために、確定申告には他人の助けが必要なのだ)。

 確定申告以前に今年の個人税務の大きな特色は、方々からマイナンバーの提出を求められたことだ。これが頗る面倒で、しかも、気持ちが悪かった。

 手続き的には、マイナンバーカードないしはマイナンバー通知カードのコピーを台紙に貼って提出せよというもの、ネットの手続きに加えて通知カードの写メ(!)を送れというもの、加えて身分証明書のコピーを要求するものなどがあった。ナンバーの転記ミスを防ぎたいということなのだろうが、様式や提出方法がまちまちで、全く面倒だった。しかも、得体の知れない事務処理会社(大手電気メーカーの孫会社的な名前の会社が多い)に業務を委託した上で、高飛車な文章で提出を求めるものなど、気分の悪い要求が少なくない。

 そして、今回の手続きの最もいけないところは、マイナンバーを提供する面倒な手続きに協力しても、個人の側には何のメリットも見返りもないことだ。個人としては、頼んでもいないのにマイナンバーを押し付けられ、これを方々に提出しないと非協力的だとなじられるわけで、ここまでのところ、面倒が増えただけで、良い点は何もない。

 筆者は、マイナンバーを活用して、個人の所得や資産、金融取引などを把握して、国と国民双方の事務を効率化しつつ、正確を期することに対して賛成だ。いわゆる「金融実名制」も早急に導入するといいと思っている。