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山崎元のマネー経済の歩き方

大災害と個人の資産運用

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第171回】 2011年4月4日
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 東日本大震災が起こってから5日目の夜にこの原稿を書いている。被災された方がたには、心よりお見舞いを申し上げたい。地震に無関係なことを考えようと思っても今は無理なので、今回は大災害と個人の資産運用について書く。

 まず、今回の大震災は、資産の安全性とリスクについて再考を要求しているのではないか。大津波は頻繁に起こる事象ではないが、津波以外にもリスクはある。不動産の資産価値について、災害時の安全性はこれまで以上に重視されるファクターになるだろう。

 不動産所有全般の価値にも変化が生じる可能性がある。近年、不動産の価値評価は将来の収益価値を割り引いて合計する合理的なものになってきたが、今後、割引率が一段と大きくなる可能性がある。

 個別にも安全性の観点で評価が一変するものもあるだろう。

 金融資産の安全性では、被災したときのことを考えると、どの金融機関に何をいくら持っているかを常時正確に把握していることが重要だと、避難者の映像を見て思った。通帳と銀行印をまとめて携行することは便利でも安全でもないが、どこにどれだけ預けた資産があるのかの明細は常に把握できるようにしておくべきだし、万一の場合には家族がアクセスできるようにしておくべきだろう。財産明細をクラウドに置いておくのが案外安心なのかもしれない。

 今回の大震災は、金曜日の株式市場が引ける少し前に起こり、週末にかけて被災の深刻さが明らかになり、3月14日月曜日に、これを受けた本格的な市場取引が始まった。この日の資本市場を概観すると、大震災によって起こったのは、大幅な株安、円高、小幅ながら長期金利の低下、であった。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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