「科学的根拠」が背中を押してくれる

―――そうやってコツコツ探して見つけてきたことを、指導に生かされているんですね。

中西 その結果、僕が考えるトレーニングメニューは、よりシンプルに、より地味になっていきました。呼吸法とか、正しい眼球や正しい舌の位置をつくるとか。

 もっと派手なこと、楽しいことをしたほうがいいのかな、と思うようなこともあるんですけど、『GRIT やり抜く力』を読むと、自分のやっていることを裏付けてくれる科学的根拠がたくさん挙げられていて自信が持てましたね。

 トップアスリートのトレーニングの成功例もいろいろと載っていますが、やはり結果を出すアスリートは、きつくても退屈でも、いちばん効果的なトレーニングにフォーカスして、地道に努力しているんです。

グリット(やり抜く力)はこのトレーニングで伸ばせる

―――「やり抜く力」があれば、ワールドカップ優勝もきっと実現できるでしょうね。

中西 はい。日本はワールドカップに優勝できない、なぜなら土壌がこうだ、体格がどうだって、できない理由をいろいろと挙げる人はいるんですけど、そんなことを言っても仕方ないじゃないですか。

 僕はそういう人生ではなく、いくら難しくても、とにかくできる方法を探す人生を生きたいなと思っているんです。あきらめないほうが楽しいし、それもこの本を読んで改めて確認できたんです。

―――本日はお忙しいところ、貴重なお話をありがとうございました!