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出口治明の提言:日本の優先順位
【第1回】 2011年4月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

復興に向けて最初にやるべきは、見取り図を作ること

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 先日、ダイヤモンド・オンラインに「この国の復興に向けて、今、私たちが為すべきことは何か」という小論を載せていただいた。それを見た編集者より、震災復興に向けた連載ものの依頼を受けた。私は一介のベンチャー企業の経営者に過ぎず、大学で学んだのは憲法である。震災や原子力について格別の知見を持ち合わせているわけでもない。私のようなごく普通の市民の意見にどれほどの意味があるのだろうかと自問した。

 しかし、逆に言えば、このような未曽有の事態だからこそ、プロや専門家ではない普通の市民の素人感覚が必要とされているのではないかと思い直し、お引き受けすることにした。そのような次第であるから、読者諸兄におかれては、知見不足などについてはお許し願うとともに、誤解や事実認識の間違いなどについては忌憚なくご指摘いただきたい。

いま直面している問題を3つに分けて考える

 今回の大震災からの復興に向けて、最初に為すべきことは何か。それは、骨太の見取り図を描くことであると考える。あるいは、グランド・デザインを描くことと言い替えてもよいかも知れないが、ようは、例えば以下のように課題を大括りに整理することである。

 いまわが国が直面している問題は、次の3つである。

  1.  1.津波によって大きな被害を受けた東北地方・太平洋沿岸地域の復興支援
  2.  2.福島の原発事故への対応
  3.  3.首都圏の電力不足
  4.  

 これら3つの大きな問題は、東日本大地震という同じ原因によって引き起こされたものではあるが、その対応策については夫々の事情によってかなり大きな違いがあるように見受けられる。そうであれば、はじめからこれら3つの問題を峻別して対応策を考えるべきであろう。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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