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ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

清水富美加の引退劇と電通女子社員自殺の共通点とは

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第69回】 2017年2月15日
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若手で最も勢いのある女優の
突然の引退劇

 2011年当時、まだ幼かった筆者の娘が、初めて夢中になって観たヒーローもののTV番組が『仮面ライダーフォーゼ』だった。筆者も付き合って観ていたが、大人の目から見て、断然目を引いたのが、主人公の福士蒼汰と、ヒロインだった清水富美加だった。

新興宗教もからんでいることから、さまざまな憶測が乱れ飛んでいるが、本人のツイートを見れば、電通女子社員の自殺と同じ構図が透けて見える(写真はイメージです)

 彼女は、演技力と存在感と愛嬌を併せ持っており、印象深かった。その後、NHKの朝の連続ドラマでブレイクし、さまざまなドラマや映画に出て、彼女はどんどん「売れっ子」になっていった。ネットや雑誌で見かけることが多くなり、筆者も家族と「あの、フォーゼに出てた子も人気でたねー」などと話していた。

 そんな、若手で最も勢いのある女優の1人である彼女が、先日、突然芸能界を引退し、幸福の科学に出家するというニュースを聞いたときには、それほど熱心なファンではない筆者もかなり驚いた。

 その後、幸福の科学側から、事務所の彼女に対する待遇に問題のあったこと、それにより彼女は心身ともにすり減り、芸能界を引退する決意を固めたことが発表された。

 一方で、事務所側も反論し、マネージャーがこまめにコミュニケーションをとっていたことや、他の所属タレントと比較しても、ひどい扱いなどしていないことを主張している。

 メディアやTV番組では、このことが取りざたされ、事務所が悪い、露出の多いグラビアの仕事のせいだ、人肉を食べる役柄を演じなくてはいけなかったせいだ、給料が安すぎたせいだ、といったコメントが出たり、宗教にだまされている、芸能界がこんなところだとわかっているのに甘い、辞めることで多くの人に迷惑をかけることをわかってるのか、などという書き込みがネットでみられるようになり、毀誉褒貶が相半ばする状態となっている。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

この連載の趣旨は、ビジネスマンのあなたが陥っている「ブラック」な状況から抜け出すための「心」を獲得するために、必要な知識と考え方を紹介することにある。社員を疲弊させる企業が台頭する日本社会では、「勝てない組織」が増えていく。実はその背景には、マクロ面から見た場合の制度的な理由がある一方、日本人の持つ国民性や心理もまた、重要な要因として存在する。そうした深いリサーチが、これまで企業社会の中でなされてきただろうか。本連載では、毎回世間で流行っているモノ、コト、現象、ニュースなどを題材として取り上げ、筆者が研究する「ニューロビジネス」的な思考をベースに、主に心理学や脳科学の視点から、その課題を論じていく。あなたは組織の「黒い心理学」を、解き明かすことができるか。

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