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山崎元のマネー経済の歩き方

資産配分をどこまでやるか

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第172回】 2011年4月11日
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 資産配分。最近では、英語のアセットアロケーションのほうが通りがいいかもしれないが、内外の株式や債券といったおおまかな資産分類に対して運用資金をどう配分するかを決める作業だ。通常、運用パフォーマンスの大半(機関投資家の場合8~9割)を決定する重要なプロセスだ。

 しかし、率直にいって、資産配分は難しい。株価や為替レートの変動を予測し、リスクを推定しなければならないのだから、その難しさは、兆円単位の公的年金でも、サラリーマンの資産運用でも大きくは違わない。

 資産配分では、「○○が何パーセント、△△が何パーセント……」といった調子で、あなたにはこれがいい、と答えだけを教えるわけにはいかない。重要なのに難しいのだから、他人の資産配分について責任を取ることなどできない。本人に決めてもらうように、「考え方」を伝えるしかない。

 資産配分の「標準的」な方法は、資産分類ごとの期待リターンとリスク(複数資産間の相関関係を含む)を推定して、リスクに対する態度に応じた最適解を計算する方法だ。基本的には、この方法で公的年金や企業年金などの機関投資家も資産配分計画を作成している。

 計算自体は簡単で、エクセルのような表計算ソフトとPCがあれば十分お釣りがくる。運用が仕事の人はもちろん、FPもこの程度のスキルは習得すべきだ。

 ただし、計算は簡単でも、計算の基になる数値の扱い方が簡単ではないので、運用のプロであっても、十分に使いこなしているとは言いがたい場合もある。なかには、自分の使い方が悪いのに、理論が実用的でないと八つ当たりをするケースもあり、困ったものだ。

 リスクとリターンで資産配分を決める方法の延長線上には、負債側のリスクも勘案する「ALM」を踏まえた方法、質的に異なる複数のリスクを使う方法、時間と変動に応じて最適状態が動く動的な方法などがある。年金や保険のように負債のキャッシュフローが明らかな場合にはALMが有効かつ必要だが、それ以外の方法は、方法自体としては精密であってもインプットとなるデータの正確性を期することが難しくて、期待ほどの効果が出ない場合が多い。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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