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一流の育て方
【第42回】 2017年3月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
ミセス・パンプキン

厳しいだけ、優しいだけの教育は二流だ!
「一流のしつけ」は、厳しさと優しさのバランスが大切

将来、子供に感謝される「新しい育て方」とはどのようなものか?約200人の「リーダーシップ溢れる学生」および、各界で活躍するビジネスリーダーたちが「親に最も感謝している教育方針」を徹底的に調査した『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』
本連載では、著者であるミセス・パンプキン氏が、本書や数々の講演会で伝えている「自己肯定感が高く、主体的に自己実現できる人の育て方」のエッセンスを公開していく。

「役割分担」でしつけをする
──子供が尊敬できる親であるためには?

 厳しいだけ、優しいだけの育て方では、「自己肯定感の高い子供」を育てることはできません。『一流の育て方』は、様々な業界で活躍されるビジネスリーダーや、主体性あふれる大学生たちに「幼少期に受けた家庭教育を振り返って、親に最も感謝していること」を広範にインタビューして書かれたものです。本書の主旨は決して、「一流の子供」を育てようということではなく、「育て方の目線を上げよう」というものです。

 その中で、多くの人が単なる受験勉強ではなく、しっかりとしたしつけを受けたことを感謝しており、なかでも厳しさと優しさのバランスをご両親が役割分担をして提供してくれたこと感謝しているということは、私たちに大切な気づきを与えてくれるのではないでしょうか。

(以下『一流の育て方』より、アンケート抜粋)

●父は厳しい存在、母は癒してくれる存在
 父親の厳しさと母親からの癒しのバランスが大切でした。父は「自分は何をすべきか」を常に自分で考えるよう要求する人でした。ある程度成長してからはそれを当然のように思うことができましたが、幼いころの自分にとっては厳しい人でした。
 一方、母親はそういった厳しい面は見せず、つらいときにはやさしく癒してくれる存在でした。自分は母親のような存在がいたことで、厳しい父の教育方針から完璧に背を背けることなく成長することができ、今では自分で考え、自分の意思をはっきりと持って行動することができるようになったと考えています。(東京大学大学院工学系研究科Fさん)
●父母の役割分担が明確だった
「両親の役割分担、位置関係が明確であったこと」が私の家族の特徴です。すなわち、父親は「最終決定を下す厳格さを持つ大黒柱」として、一方で母親は「素直にぶつかり合える存在」として役割分担が明確であり、父親を最上位とする家族関係が成り立っていたということです。
 キーパーソンになるのが母親です。常日頃から母親が父親を低く見るような発言をしていると、いざ反抗期を迎えたときに子どもが父親に従わないのは目に見えています。(早稲田大学大学院先進理工学研究科Eさん)

厳しさと優しさのバランスが大切
──片方が厳しいときは、もう片方が優しくフォローする

 子どもに厳しいだけでは、疎まれているかのように子どもは勘違いし、助言も心に響きません。

 わが家では夫が、子どもとよく衝突しました。世の中では“お友だち親子”が流行っていましたが、夫にすればそんな関係は絶対に受け入れられるものではありません。子どもに思慮の浅い言動があると、激しい説教がえんえんと続きます。そんなときは適当なところで両者を切り離すことから、私の出番は始まります。

 夫には、子どもがどういうつもりだったか弁解を加え、あとでよく言い聞かせることを約束します。そのときに、叱り方が厳しすぎたり感情的では効果がないといったことも伝えます。子どもには、父親がなぜ怒っているのか、何にこだわっているのかなどを説明し、以後気をつけるように話して聞かせて、謝罪させます。

 両者に、それぞれの言い分をそれぞれが尊重すると言っているという“建設的なウソ”をまじえて話したこともありますが、そこまでしてなだめ役に回り続けたことは、無駄ではなかったと思っています。

 父親と母親がどう“役割分担”をすべきかについては、アンケートで学生さんたちが、的確な指摘をしてくださっています。

 夫婦の一方がしつけに厳しければ、もう一方がガス抜きの役目を果たすことが大切です。父親が厳しい家庭では、子どもに父親の思いを伝えるなどして、両者をつなぐ役目を果たすのは母親の重要な仕事です。そのような母親の存在があったからこそ、厳しい父親も受け入れられたという子どもさんは案外多いものです。

夫婦がお互いを軽んじれば、子供からも尊敬されない

 両者をつなぐどころか、子どもに、その父親を軽んじるようなことを言うのが口癖になっている母親がよくいます。他方で、妻を召し使いのように扱う夫も少なくありません。

 父母の関係がどういうものか、あるいは、親同士が子どもにお互いのことをどう言っているのかは、子どもに大変重要な影響を持ちます。

 家庭内のしつけを機能させるためにも、両親のあいだで相互の尊敬がなければなりません。そして、片方の親が厳しすぎたり優しすぎたりするようなときは、もう片方がフォローする役割を引き受けて、子どもがどちらの親も尊敬できるようにしてあげてください。

 なおここで述べてきましたことは、シングルマザー、シングルファザーの家庭でも同様に大切です。子供のしつけで本質的に重要なのは、親が厳しさと優しさをバランスよくあわせもち、子どもから尊敬される存在であることなのです。

(※本原稿は『一流の育て方』から編集して掲載しています。本書の感想は、ミセス・パンプキン公式サイトまでお願いいたします)

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ミセス・パンプキン

1947年生まれ。立命館大学法学部卒業。一般的な家庭でありながら、4人の子どもはそれぞれ、プライベートエクイティ・プロフェッショナル、ニューヨーク州弁護士やロンドン勤務の公認会計士、カナダの大学教員などグローバルに活躍するプロフェッショナルに成長。東洋経済オンラインでの長期にわたる人気連載「ミセス・パンプキンの人生相談室」では膨大な数の育児相談をこなし、さまざまな家庭の問題について、洞察あふれるアドバイスを提供している。


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