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一流の育て方
【第41回】 2017年3月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
ミセス・パンプキン

古臭い、偏差値エリート教育は、二流だ!
学歴・給料より、品性と教養

将来、子供に感謝される「新しい育て方」とはどのようなものか?約200人の「リーダーシップ溢れる学生」および、各界で活躍するビジネスリーダーたちが「親に最も感謝している教育方針」を徹底的に調査した『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』
本連載では、著者であるミセス・パンプキン氏が、本書や数々の講演会で伝えている「自己肯定感が高く、主体的に自己実現できる人の育て方」のエッセンスを公開していく。

勉強だけできても何の意味もない

 単なる偏差値エリート教育では、自己肯定感の高い人間性を育むことができません。『一流の育て方』は、様々な業界で活躍されるビジネスリーダーや、主体性あふれる大学生たちに「幼少期に受けた家庭教育を振り返って、親に最も感謝していること」を広範にインタビューして書かれたものです。

 その中で、多くの人が単なる受験勉強ではなく、教養や感受性を養ってもらったことに感謝していることは、多くの読者の皆様に共感していただけるのではないでしょうか。

(以下『一流の育て方』より、アンケート抜粋)

●芸術に多く触れさせてもらった
 幼少期から小学校時代までは、一流の芸術に多く触れる機会を与えてもらい、感受性が刺激されました。両親ともに音楽関係の仕事だったこともあり、幼いながらによい音楽に囲まれていた実感があります。中学、高校時代には「勉強しろ」と言われたことは一度もありませんでしたが、美術や芸術に親しませてくれたことが、その後の感性を形成したと思います。(東京大学大学院工学系研究科Wさん)
●学校の勉強ができるだけではつまらない
 わが家では両親とも教養が深く、観劇やコンサートにもよく出かける環境で育ちました。両親に来客も多く、文化論や芸術論を楽しげに語っているのをそばで見ていて、学校の勉強ができるだけではつまらないことを覚えました。私も美術館や音楽会に行くのが自然に好きになりました。(東京大学Kさん)

学歴が高くても、教養のない人間は浅い
──学歴の有無と教養の有無は無関係

 教養や芸術的感性の有無は、単なる学歴エリートや金満家と、尊敬される一流の人物を分ける大切な要素の一つです。ここで教養の大切さを取り上げることにしたのは、政治家をはじめ、教養、感性の欠如で対話能力に乏しいリーダーたちがあまりにも目につくからです。

 ほとんどの政治家の学歴は高く、要職を任された人たちの発言や答弁は、メモを見ている限りはソツがありません。ところが想定外の質問に答えるときや、国会で飛ばすヤジのレベルの低さに驚かされることは、今や日常茶飯事です。その短い言葉や瞬間の態度は、これまでかすかに寄せていた信頼までが一瞬にして吹っ飛ぶほど劣悪で、教養のなさを露呈したものです。

 教養はひけらかすものではなく滲み出るものだといいますが、まさに教養のなさを隠しきれなかったという態で、あきれるばかりです。学歴は高いが教養なく、ために感性や想像力が貧しい人の見本のような人物像を、彼らは見せてくれています。恥を知ることがありませんから、彼らは態度も横柄です。

 一方、学歴が高い方で、私が幸運にも直接お目にかかれる光栄に浴している世界的な学者が、何人かおられます。お会いするたびに、一流とはこのような人かと教わることばかりです。多くの人から尊敬され、信頼される人は、教養や芸術的感性の豊かさが、その短い会話やたたずまい、執筆される文章にあふれていることで共通しています。

 その腰の低さは、その方たちの偉業や地位の高さから見て、私が戸惑うほどです。その方たちの書き、話す言葉には上から目線が微塵もないどころかいつも謙虚で、どんな人に対しても気配りを忘れません。

 そんな方たちとお話しするとき、私は決まって御幼少時の環境や受けられた教育に耳を澄ましますが、ご両親が教養人だったり、教養を深める環境で育たれた場合が多いです。

 教養や豊かな感性は、子どものときから多くの経験をする中で、または読書や、芸術に触れ親しむ中で、育まれます。日本では受験戦争に突入する時期が早く、そしてその期間が長く、子どもが多感な時期に、心の余裕を持つことなく過ごす親子も多いと思われます。

 それでも親の意識次第では、子どもたちが人生で重要な読書や哲学、美術に触れ、芸術に親しみ、感性を磨く機会はつくることができるはずです。

 現在の学校教育システムでは、残念ながら、受験勉強の対策はできても、深い教養を身につけさせるような教育は望めません。だからこそ、各家庭で、少しでも芸術に触れる機会をつくってあげることが大切です。

 教養は学歴やお金の有無にかかわらず持ちたいものです。学歴や給料は高いけれど教養がなく、品性のなさが滲み出ているような人間にだけは育てたくないものです。

(※本原稿は『一流の育て方』から編集して掲載しています。本書の感想は、ミセス・パンプキン公式サイトまでお願いいたします)

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ミセス・パンプキン

1947年生まれ。立命館大学法学部卒業。一般的な家庭でありながら、4人の子どもはそれぞれ、プライベートエクイティ・プロフェッショナル、ニューヨーク州弁護士やロンドン勤務の公認会計士、カナダの大学教員などグローバルに活躍するプロフェッショナルに成長。東洋経済オンラインでの長期にわたる人気連載「ミセス・パンプキンの人生相談室」では膨大な数の育児相談をこなし、さまざまな家庭の問題について、洞察あふれるアドバイスを提供している。


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