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みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司

なぜ「営業」は就活生に嫌われるのか
学生が抱く3つの誤解と現場の真実

石渡嶺司 [大学ジャーナリスト]
【第20回】 2011年4月19日
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よくある光景~営業嫌いと言いながら

人は営業をする生物である。自分をいかに売り込むか、それに熱心な行為が営業なのだ~ミシェル・キャリゲッタ

 え?営業ですか?いやー、自分は営業など向いていなさそうです。ええ、営業職としての就職は希望しません。はい、事務か経理で。…、ええ、では失礼します。

 はあ、営業なんて自分は向いていないよなあ。さーて、今日はこれからサークルの合コンか。かわいい子いるかなあ。

…。

 え?次、オレ?えと、なんだっけ?自己紹介?いやあ、あいにく自分は交通事故には遭ったことがなくて。え,そのジコじゃない?あ、それは失礼しました~。さっせーん。えー、早稲田大商学部の鈴木です。鈴木は愛知県で一番多い姓だそうです。でも、愛知県には行ったことがありません。え?田中さん、愛知県?あーそー、んじゃ僕を愛知県民にしてください!え?まだ早い?いやー、久しぶりの合コンなので,緊張してこの3日間眠れませんでした。ウソつけ?はい、ウソでーす。さーらりとした、ウソついちゃって~、の鈴木です!テンション飛ばし気味で行きますがよろしくお願いします~。

人は営業をする生物である。自分をいかに売り込むか、それに熱心な行為が営業なのだ~ミシェル・キャリゲッタ

 え?私が営業職?いやー、それはちょっと。私って、口が回る方じゃないし。はい、すみません。…。あー、就職課面談、面倒だったー。さ、化粧品でも買いに行こう。

…。

 すみません。このイドラエマルジョンエクセレンス、試してもいいですか?えーと、普段はアイリフティングシャドゥとデイホワイトブロックと化粧水はセイラムエクセレントウォターを。いやー、自分をよく見せるための化粧品ならいいもの使いたいじゃないですか。あ、なんか、いいですね。ええ、やっぱり化粧品はいいの使いたいですよ。自分をよりよく見せるためにも。

人は営業をする生物である。自分をいかに売り込むか、それに熱心な行為が営業なのだ~ミシェル・キャリゲッタ

 これから、どこに配属されるのか、新入社員研修の後に決まるのか。営業だけは嫌だなあ。これから面談かあ。

…。

 はい、鈴木です。よろしくお願いします。私は企画開発部への配属が第一希望です。やはり、太陽ビールに入ったからには新商品の開発に関わりたいと思います。特にビールの売り上げが下がった近年においては高品質な付加価値をもった製品の開発が必要と考えています。特に健康志向やノンアルコール志向の消費者にあった商品として、飲むだけでダイエット効果のあるノンアルコールビールの開発が急務です。ノンアルコールビールはSV・CV以外にも郊外のファミリーレストランなどでの需要も期待できます。私は企画開発部に配属されましたらこのノンアルコールビールの開発に関わっていきたいと思います。

人は営業をする生物である。自分をいかに売り込むか、それに熱心な行為が営業なのだ~ミシェル・キャリゲッタ

…。

※ここまでの話はフィクションです

超ポジティブ&ネガティブイメージが混在!?
就活学生に蔓延する「営業嫌い」

 皆さん、こんにちは。東北地方応援のために東北の地酒を飲んでいる石渡です。今は岩手県・月の輪酒造の純米酒・月の輪を飲んでいます。おいしい日本酒なの ですが、いかんせんすぐ酔う体質なので、仕事中はさすがに飲めません。お茶か、先ほど登場したノンアルコールビールですね。

 ちなみに、例によって上記の内容はフィクションです。「ミシェル・キャリゲッタ」は私がでっち上げた、いかにもな人物名です。ときどき「あれ、実話ですか?」との問い合わせや質問がツイッターなどで来ますが、フィクションです。

 「キャリゲッタ」は当初、「サラゲッタ」でした。三谷幸喜の往年のテレビドラマ『王様のレストラン』ファンにしか分からないネタですね。ただ、就職関連のコラムで「サラゲッタ」もないだろう、と多少変えました。

 というわけで今回のテーマは「営業」です。

 あちこちで、就職講演をすると「自分は営業には向いていそうにない」という話をよく聞きます。深刻そうな表情で事務職・経理職に絞りたいがどうすればいいか、と相談されたことも一度や二度ではありません。

 どうも、営業というと、押しが強い、口がうまい、元気、明るいなどの超ポジティブイメージが先行しすぎています。あるいは、「やたらと頭を下げる」「客をだます」などの超ネガティブイメージが先行しすぎているかのどちらか。そうそう、新聞の勧誘や怪しい商品の訪問販売を連想する学生も少なくありません。

 いずれにしても「自分にはできそうにない」「人をだますなんて」となってしまい、じゃあやめよう、という話になってしまいます。

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石渡 嶺司 [大学ジャーナリスト]

1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。日用雑貨の営業の派遣社員、編集プロダクションなどを経て2003年に独立。日本全国350校を超える大学を調査、とくに就職活動をめぐって、学生や大学就職課、教職員団体、あるいは高校生向けに積極的な執筆や講演活動を行う。主な著書に『就活のバカヤロー』『最高学府はバカだらけ』(以上、光文社新書)、『ヤバイ就活!』『就活のバカタレ!』(以上、PHP研究所)などがある。


みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司

「第二次就職氷河期」といわれる現在。学生、企業、大学、親など、取り巻く関係者すべてに悲壮感が漂っている。こうした悲壮感が漂うなか、彼らの実態とはどのようなものなのか。その様子を時系列で追いながら、誰が就活を悲惨にしているのか、“犯人”を探る。

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