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みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司

採用担当者が怒るのは当たり前!?
都市伝説化した“恐怖の内定辞退”に怯える就活生たち

石渡嶺司 [大学ジャーナリスト]
【第24回】 2011年6月8日
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よくある光景~二転三転人生ゲーム

某月某日
IT中堅のA社、地方銀行のB社、証券中堅のC社から内定を貰う。よく考えた末、証券中堅のC社に決める。A社はまだしもB社は断りに行くと、さんざん嫌味を言われる。B社にしなくて良かった。

某月某日
合コンに行くとA社とB社の社員と遭遇。おいしいところを全部持って行かれる。特に気に入った子から
「将来ありそうなIT、年収の高そうな銀行に比べて、不安定な証券なんて」
と言われ大ショック。A社かB社にしておけば良かった。

某月某日
株ブーム到来。中堅証券であるはずのわが社も創業以来、最高益。ボーナスも他業界より高く笑いが止まらない。C社にしておいて良かった。

某月某日
不況に突入。絶対安泰と言われていた地方銀行のB社が不良債権処理の失敗で吸収合併される。C社で良かった。

某月某日
不況で誰も株式投資などやっていない。とうとう、わが社も倒産。転職する同僚や先輩社員続出。とりあえず残務処理しないと顧客に申し訳ないので、残留することにする。クレーム処理だけで心が折れそうになる。A社にしておけば良かった。

某月某日
IT大手のA社、新技術の開発成功で、東証1部に上場。A社にしておけば良かった。

某月某日
わが社が証券大手のD社に吸収されることになる。どうせリストラされるだろうと思っていたら、地道にクレーム処理や顧客回りをしていたことが評価され、残留。しかも部長職に出世。C社、いやD社で良かった。

某月某日
証券大手と言っても、若手社員は外資系金融が第一志望で落ちた連中が多いらしく、どうも覇気がない。彼らがよく言うのは「外資系金融に行きたかった」。困ったものだ。

某月某日
金融危機発生。外資系金融の日本法人はことごとく閉鎖。そのうちの1社はわが社、D社が買収することに。かつて羨望の的だった外資系金融の同期より上の立場になった若手社員は「D社で良かった」と叫ぶことしきり。

某月某日
社内でD社生え抜き派と外資系組の派閥抗争が発生。そのごたごたにうんざり。「うちの会社はアホばっかりだから仕事ができない」とエレベーター内でつぶやいたところ、会社批判をしたと両派からバッシング。ついに退社に追い込まれる。D社以外なら良かった。

某月某日
C社でのクレーム処理やD社での派閥抗争を面白おかしく書いた『会社員生活を100倍楽しむ方法』がヒット。100万部を超える。以後、評論家となる。波乱万丈だったがC社とD社に在籍できて良かった。

※ここまでの話はフィクションです。

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石渡 嶺司 [大学ジャーナリスト]

1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。日用雑貨の営業の派遣社員、編集プロダクションなどを経て2003年に独立。日本全国350校を超える大学を調査、とくに就職活動をめぐって、学生や大学就職課、教職員団体、あるいは高校生向けに積極的な執筆や講演活動を行う。主な著書に『就活のバカヤロー』『最高学府はバカだらけ』(以上、光文社新書)、『ヤバイ就活!』『就活のバカタレ!』(以上、PHP研究所)などがある。


みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司

「第二次就職氷河期」といわれる現在。学生、企業、大学、親など、取り巻く関係者すべてに悲壮感が漂っている。こうした悲壮感が漂うなか、彼らの実態とはどのようなものなのか。その様子を時系列で追いながら、誰が就活を悲惨にしているのか、“犯人”を探る。

「みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司」

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