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高橋洋一の俗論を撃つ!

「復興増税」論の隠された意図を暴く
「通貨」の信認と「国債」の信認の正体

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第12回】 2011年4月21日
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 東日本大震災の復興に巨額な資金が必要なのは誰にも異論がないだろう。直接的な損害でも20兆円前後になるし、それに関連する経済損失を合わせれば、30兆円以上の公的支出が必要だろう。

復興構想会議は
増税構想会議か

 政府は4兆円程度の第1次補正を決めたが、これでは少なすぎるので、第2次補正にすぐ取りかかるべきだ。第2次補正では、つなぎ国債を発行して、その担保に増税という話が出てきている。

 政府の復興構想会議は、14日にスタートした。1923年9月1日に発生した関東大震災後、2日から帝都復興院が検討され、9月27日にはすでに設立されていたのに比べると、何ともスピード感がないが、「増税」論だけは素早かった。

 復興構想会議の事務局を財務官僚が牛耳っているので、五百旗頭真(いおきべまこと)議長の挨拶に、増税を入れ込むことくらい簡単なのだが、非経済系の有識者がまんまと財務省に丸め込まれているのは情けない。

 復活構想会議に声かけられたが参加を断ったある知識人は、五百旗頭議長の挨拶について、まだ議論していないのに増税はないと吐き捨てていた。

 財務省からみれば、復興構想会議そのものも、増税のためのワン・ステップでしかなく、世論つくりさえすればお役ご免だろう。

 財務省の復興構想会議のメンバーに対する「レク」は、「復興増税、日銀引受禁じ手」のようだった。「日銀引受は禁じ手です。そんなことをしたら、通貨の信認が失われます」と財務省官僚がいえば、ほとんどの人はそれを信じてしまう。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


高橋洋一の俗論を撃つ!

元財務官僚の経済学者・高橋洋一が、世にはびこるもっともらしい「俗論」の過ちをズバリ解説。

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