米国こそ為替操作国?歴史的にも主導権は常に米国にあり

 下記の図表1は日米の長期金利差とドル円相場の推移である。昨年11月の米トランプ大統領当選以降、財政支出拡大政策期待から米国10年長期金利が急上昇し、日米10年長期金利差は約3年ぶりの水準まで拡大した。トランプ大統領当選前は100円台前半の水準にあったドル円相場は、図表1のように日米金利差拡大によりドル高に転じ、金利差拡大に伴い、一時は118円までドルが上昇した。

◆図表1:日米長期金利差とドル円相場

米国こそ為替操作国?歴史的にも主導権は常に米国にあり(資料)Bloombergよりみずほ総合研究所作成
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日米金利差拡大でドル高転換
為替は常に「達磨さんが転んだ」

 以前、このコラムでも紹介したが、筆者が円ドル為替について長らくストーリーラインとしてきたのは、いわば「達磨さんが転んだ」のように、トレンドの転換は、歴史的にみていつも「鬼」である米国サイドにあるとすることである。