スマートエイジングライフ
医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」
【第7回】 2017年3月8日
阿保義久 [北青山Dクリニック院長]
著者・コラム紹介バックナンバー

骨の老化防止「牛乳を飲むだけでいい」は間違いだった!

「牛乳を飲むだけでいい」は間違い
骨の量を増やし、骨質を良くする食材・栄養分

 骨の量と質を改善するために食事の工夫が有効です。積極的に摂りたいビタミンと、悪影響を及ぼす「糖質」について挙げておきます。

(1)マグネシウム

 骨の量、密度を決める主原料はカルシウムですが、カルシウムの吸収や体内での適切な分布をサポートしている重要な成分がマグネシウムで、カルシウムだけではなく同時に十分なマグネシウムの摂取が大切です。

 カルシウム不足を補うために有効と知られる乳製品には、実はマグネシウムがあまり含まれていません。カルシウム摂取を心掛けて牛乳などを積極的に摂っている人でも、マグネシウムが不足していることが指摘されています。カルシウムとマグネシウムを合わせてしっかりと摂取するためには、大豆製品や海藻類、キャベツ・ブロッコリーなどを食するのが望ましいようです。

(2)ビタミンD

 また、ビタミンDは、骨を作るビタミンとも呼ばれ、血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあります。ビタミンDは、イワシ、鮭、サンマなどの魚やキノコ類に豊富に含まれます。また、日光刺激により皮膚で体内のビタミンDが活性化されるので、過度の紫外線刺激は避けつつも適度に太陽光にあたることも大切です。

(3)ビタミンK

 ビタミンKは、骨に含まれるオステオカルシンというタンパクを活性化させてカルシウムとの結合を促し骨の形成を進めます。ビタミンKの摂取源としては、レタス、納豆、青菜、海苔、ニラなどが挙げられます。

(4)ビタミンC

 代表的なビタミンであるビタミンCは、骨密度を高めることが以前から知られており、骨の質を決めるコラーゲンの合成にも不可欠です。骨の量、質、両方の改善にビタミンCは有効です。

(5)「糖質」に注意

 一方で、コラーゲンの質を悪化させるのが、ホモシステインという物質と前述の糖化です。ホモシステインはビタミンB群や葉酸が不足すると増加してしまいます。豚肉、牛レバー、菜の花、枝豆などの摂取で、ビタミンB群や葉酸は補充できます。糖化は、急激な高血糖によって誘発されます。糖質の摂り過ぎと運動不足は厳禁です。ホモシステインや糖化は、血管の老化現象である動脈硬化の危険因子でもあります。

 興味深いのは、骨の健康のために必要な栄養管理は、同時に全身の健康管理にも繋がることです。ビタミンDには抗がん作用や免疫力増強効果があり、ビタミンCは抗酸化作用など様々な疾患の予防に関わり、ホモシステインや糖化を管理することは、血管の老化を防ぐことにもなるのです。全身とネットワークでつながっている骨の特徴がこの点でも示されていると言えます。

 次回は「筋肉」について詳しく取り上げたいと思います。

阿保義久
[北青山Dクリニック院長]

東京大学医学部卒業。腫瘍外科・血管外科医。2000年に北青山Dクリニックを設立。下肢静脈瘤の日帰り根治手術椎間板ヘルニアのレーザー治療痛みのない内視鏡検査・進行がんに対する革新的治療―がん遺伝子治療まで、質の高い医療サービスの提供に励んでいる。著書に『アンチ・エイジング革命(講談社)』、『下肢静脈瘤が消えていく食事(マキノ出版)』、『尊厳あるがん治療(医学舎)』などがある。


医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」

「アンチエイジング」とは美容医療だけを指すのではなく、心臓血管、脳、消化管、骨・関節など、全身に関わり、身体年齢の老いを遅らせることが目的です。40代から意識すると効果的で、その対象は40~65歳位の方になります。本連載では、アンチエイジングの概念や体の部位ごとの変化を紹介し、ケア方法を提案していきます。

「医師が教える!男性のための「心と体のアンチエイジング」」

⇒バックナンバー一覧