経営×総務
なぜ、「戦略総務」か?
【第9回】 2017年3月10日
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豊田健一 [『月刊総務』編集長]

なぜ「ムダな買い物をする総務」になってしまうのか?

戦略総務に必要な10ヵ条【7】「モノ」より「コト」で発想する

「コピー機」が欲しいのではない

 会社に必ず存在するコピー機。使わないビジネスパーソンはいないはず。このコピー機、コピー機そのものが欲しくて総務は購入しているのか? モノとしてのコピー機が欲しかったのか?

 いま流行の「コト消費」という観点から言うと、「複写する」というコトが必要で購入している。もっと言えば、「効率化」のために購入している。総務の仕事は、システム等の目に見えない物も含めて、モノを購入することで成り立つ仕事が多い。

 その購入するモノ、購入したモノの先には必ず「解決したいコト」、「実現したいコト」が存在するのだ。そのコトが明確でないまま購入するモノは得てして使われない、ムダな買い物となることが多い。

 つまり、コトありきでのモノ、という図式なのである。果たして、この原則を意識してモノを購入しているだろうか?

 もっと言えば、そもそも何がしたいのか、何を実現したいかを明確にして仕事をしているだろうか? モノよりコトで発想する、今回のテーマは、総務の仕事そのものの本質的な課題でもあるのだ。

総務に必要なイメージする力

 総務の仕事で大事な問い、「そもそも何がしたいのか」、「そもそも何が実現したいのか」。

 これは実際に存在する世界ではない、未来の改善後の世界のことである。現実の延長線上でイメージするのか、全く違う世界をイメージするのか。つまり、そこには未来をイメージする力が必要となる。

 このイメージの世界には、当然主役となる人間が存在する。また、総務の仕事は、総務自身のためというより、「社員のため」「経営のため」というように、実現したい未来の世界の主役が他人であることがほとんどだ。

 となると、その主役になり切って考えるという力が必要となってくる。そもそも現場社員がどうしたいのか、今風に言えば、「そもそも社員はどのような働き方をしたいのか」。

 その社員になりきって、社員の立場に立ってイメージするには、当然ながら情報がいる。社員との積極的なコミュニケーションが必要だ。現場の今を体感して、社員の課題感を掴む。そのベースがないことには、イメージしようがない。ここでも、「MBWA(Management By Walking Around)」が大切なことがわかるであろう。

 その実現したイメージ、未来の世界を具現化するのに必要なモノを購入する、という流れとなるのだ。

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豊田健一 [『月刊総務』編集長]

【経歴】早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験後、ウィズワークス株式会社入社。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』の取締役、事業部長兼編集長。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの理事や、総務育成大学校の主席講師、All Aboutの「総務人事、社内コミュニケーション・ガイド」も務める。著書に『マンガでやさしくわかる総務の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター刊)『経営を強くする戦略総務』(同)など。

 


なぜ、「戦略総務」か?

総務を単なる「社内の縁の下の力持ち」ではなく、コア業務の担い手、つまり"戦略総務"にすることが、会社を変革するための重要な戦略となる――。なぜ今、戦略総務なのか。その必要性について考える。

「なぜ、「戦略総務」か?」

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