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10年後、君に仕事はあるのか?
【第11回】 2017年3月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
藤原和博

学力がない子どもは上手にググれない

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AIの台頭や一層のグローバル化、就活の地殻変動などの影響で到来する「仕事が消滅する時代」。そんな時代に向けて必要な「子育て」とは?「高校生に語りかける」形式が読みやすいと保護者からも話題になっている教育改革実践家・藤原和博氏の最新刊『10年後、君に仕事はあるのか?』の内容から一部抜粋してご紹介する、連載第11回。

やはり「学力」は高いほうがいい

 AI×ロボットに事務処理の仕事が取って代わられていくことはよく知られています。

 では、未来を生きる君たちには、基礎学力は必要なくなるのでしょうか?

 よく言われるのは、知識はすべてネット上に蓄えられるから、もう覚える必要がないし、忘れてしまってもググれば(グーグルで検索すれば)いいということ。あるいは、Siriのような音声認識ソフトに話しかければ何でも教えてくれる未来は近いから、記憶力を鍛えても意味がないという意見です。

 たとえば、コロンブスがアメリカ大陸に到達したのは1492年のことですが、それを「イヨーッ(14)、国(92)が見えた!」なんて覚える必要はもうない、と。

 たしかに、そうかもしれません。

 ただし、コロンブスのアメリカ大陸到達が世界にどういう影響を及ぼし、ヨーロッパの国々の力関係がそれによってどう変化したのか、あるいは、その影響がのちに日本やアジアにどう波及したのかを調べようとするとき、世界史と日本史の基礎知識なしに探索することは不可能でしょう。ググればいいと言っても、ググるときのキーワードや、キーワードの結びつきのイメージは、学力がなければ思いつかないでしょうから。

 さらに、膨大な資料のなかから有用なものを探り当て、優先順位をつけて読み、自分の知識として吸収したり、他人に読ませるものとして記述しようとするときにも学力は欠かせない。

 学力が低いと、図書館よりはるかに膨大なネット上の情報の洪水に押し流されてしまいかねません。

 また、テレビを見ていてもわかると思うのですが、解説がうまいコメンテーターは、池上彰さんの例を挙げるまでもなく、メチャメチャ勉強しています。結局、情報量の勝負なんですね。ディベートで意見を戦わせる場合も、ビジネスの交渉の場面でも、客先でのプレゼンでも、小手先の見せ方ではなく、圧倒的に知識のあるほうが勝つんです。より説得力があるからですね。

 意外かもしれませんが、デジタルで表現する時代になってもそれは変わりません。現にSNSやメールでの文章にその人が蓄積した情報量や教養が現れますし、人の意見をコピペばかりして考えていない人の文章には、浅はかさがにじむものです。

 やはり「学力」は高いほうがいい。

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    藤原和博(ふじはら かずひろ)

    教育改革実践家。奈良市立一条高等学校校長。元リクルート社フェロー。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。メディアファクトリーの創業も手がける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校の校長を務める。2008年~2011年、橋下大阪府知事の特別顧問。2014年から佐賀県武雄市特別顧問。2016年、奈良市立一条高等学校校長に就任。 『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(いずれも、筑摩書房)など人生の教科書シリーズ、『35歳の教科書』(幻冬舎)、『坂の上の坂』(ポプラ社)、『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(東洋経済新報社)など著書多数。

     


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    近い将来、AIの台頭や一層のグローバル化、就活の地殻変動などの影響で到来する「仕事が消滅する時代」。そんな時代に必要とされるのが、「雇われる力」(エンプロイアビリティ)だ。 本連載では、教育改革実践家である藤原和博氏の最新刊『10年後、君に仕事はあるのか?』(ダイヤモンド社)の内容をもとに、2020年代の近未来を生き抜くための「雇われる力」の身につけ方をお伝えする。若手ビジネスパーソンや中高生の子どもを持つ保護者には、ぜひ一読していただきたい内容だ。

    「10年後、君に仕事はあるのか?」

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