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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

分秒刻みの運行ダイヤに隠された
年度末が近づくと業績が暴走する
JR東日本の意外な素顔

高田直芳 [公認会計士]
【第57回】 2011年5月6日
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 東日本大震災後も連日(というか1時間おきくらいに)、余震が続いている。震度5程度の揺れでは「ああ、またか」と慣れてしまった自分が恐ろしい。

 ゆっさゆっさと横揺れが長いと「震源地は、福島か宮城の沖合あたりか」と自己診断し、ゴゴッという地響きの直後にドスンと突き上げるような縦揺れがあれば「茨城の筑波山あたりか」と、にわか地震鑑定人になってしまった。

 3月11日の震災直後は、ガス欠によって乗り捨てられた車を路上で数台、見かけた。違法駐車でないことを主張したいのだろう。窓に「ガス欠中」という張り紙をしている車もあった。

 う~ん、「ガス欠中」という用法はあるのだろうか。自動販売機でも時々「故障中」という張り紙を見る。「ガス欠」や「故障」で十分、意味は通じるのだが。

 そんなツッコミを入れたくなるような状況も、半月ほどで解消された。前回コラムで取り上げた山崎製クリームパンにも、ありつけた。何を暢気なことを、と叱られそうである。

 確かに震災の傷跡は、いまだに深いものがある。

 近隣で、地震による液状化現象に悩まされている家があるという話を聞いた。水田を住宅地に転用して分譲開発したところでは、液状化により地盤が緩んで、家屋が傾いてしまったそうである。ディンプルのあるゴルフボールを床にそっと置いても転がり出すというのだから、家の中にいると三半規管に変調をきたして酔ってしまいそうだ。

 自宅に戻り、筆者もゴルフボールを床に並べてみた。転がるボールがなくて、ひとまず安心。これまた叱られそうな話ではある。

 いま一番の話題は、「放射能汚染騒動」か。その対策として、海苔や昆布をペットボトルの水で飲み下し、腹をこわしたという人の話を聞いた。栃木県に住んでいてもストレスを訴える人が多いのだから、福島県に在住している方々の心労は、いかばかりかと推察する。

自然独占の企業として、
東電ではなくJRを取り上げる理由

 実は今回は「東京電力」を取り上げ、次回は「ヤフーvs.楽天vs.TBS」の鼎立バトルを紹介する予定でいた。東電については、柏崎刈羽発電所の事故から現在に至るまでの復調過程を紹介するつもりで、それなりの分析資料も準備していた。第53回コラム(最適資本構成編)で「自然独占」を紹介したのも、その予告みたいなものであった。

 ただし、筆者が揃えていたデータは、東日本大震災が起きる前のもの。原発事故によって「兆円単位」ともいわれる賠償責任を負う可能性があり、イメージ先行とはいえ債務超過や一時国有化を取り沙汰されるようになった企業では、個別材料が強すぎる。拙著『会計&ファイナンスのための数学入門』235頁で紹介している「デフォルト方程式(倒産確率方程式)」を東京電力に当てはめたところで、結果は見え透いている。

 ということで、東京電力については「お蔵入り」とし、今回は「独占つながり」で横滑りして、JR東日本とJR東海を取り上げることにした。「ヤフーvs.楽天編」は、かなり「えぐい内容」で準備しており、次回紹介する。

 いま、「独占つながり」という表現を用いた。繋がりだけで業界を横滑りしていくのは、そう簡単な話ではない。むしろ、東電を扱わないのであれば、製造・流通・情報分野の企業を扱ったほうが、筆者としては与しやすい。実務の最前線に近く、手持ちの話題も豊富にあるからだ。

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高田直芳 [公認会計士]

1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月〜13年10月まで公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。

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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。

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