「女性は強いですね。課長は陰口を叩かれたりしているのを意に介さないふうで、相変わらずのキャリアウーマンっぷりでした。一方僕はもうへこたれてしまって、とてもじゃないが、あのままあそこで働いていくことはできなかった」

 ひょっとしたら、Cさんをさりげなく冷遇することで自主的に異動させることも課長の狙い通りだったのかもしれない。結局課長は、社内不倫がバレたにもかかわらずその一件を表ざたにされることなく、会社と家庭での自分の立場を守りきったわけである。

 不倫は社会通念として頑として悪いものとして捉えられているため、社内で行われている不倫を会社側が知ることになったら、会社は示しをつけるためになんらかの処罰を下す。

 甘く強烈な誘惑を放つ社内不倫ではあるが、会社にバレたら人生を棒に振るほどのリスクをはらんでいることを忘れない方が賢明であろう。

 Cさんの場合は密会の現場を第三者に偶然目撃されたことがきっかけとなって社内不倫が露見したが、AさんとBさんの場合は社内不倫を極秘事項として当人たちの胸に留めておけなかった隙があったための露見である。体だけの割り切った関係と双方が納得した社内不倫ならもう少し水面下で続けることができたのかもしれないが、渦中にいる当人たちの心中はそこまでドライに徹しきれるほど穏やかなものではなかったようである。