このように、強力で濃いキャラクターが続々と登場しているのだ。もちろん、籠池氏本人も絶妙のタイミングで爆弾発言を繰り返し、騒ぎを一向に鎮火させる様子はない。それゆえに、マスコミにとってはこれほど美味しい展開はないと言える。

本当に、安倍政権に
大きな打撃を与えているのか?

 しかし、これはたまたまキャラが揃っていたというだけの話で、フロックだ。マスコミのマーケティングが成功したわけではない。むしろ、安倍政権を倒すという本来の目的から言えば、失敗である。たしかに最新の世論調査では、安倍政権の支持率は下がっている。最新のNNN調査によれば内閣支持率は47.6%。前回より7.3ポイント減。不支持率は6.9ポイント上がって32.9%だ。この支持率の低下と不支持率のアップだけを見れば、森友学園問題が安倍政権に大きな打撃を与えているかの印象を受ける人も多いだろう。また、マスコミ各社も「安倍内閣の支持率、大幅ダウン」という論調で伝えている。

 しかし、国論を二分し国会前でも激しいデモが繰り広げられた安保法制の時の支持率38.9%、不支持率50.2%(共同通信調べ)に比べれば、支持率はまだ高いし、近年の歴代内閣、福田、麻生、鳩山、菅の各内閣が退陣した時の支持率がだいたい20%くらいなので、安倍内閣の支持率はいまだに高止まりしていると言える。つまり、森友学園問題はマスコミが期待するほどの打撃を安倍政権に与えていない。もちろん、安倍総理が森友学園への国有地払い下げに深く関与していたという証拠でも出てくれば話は別だが、「昭恵夫人を通して安倍総理から100万円の寄付をもらった」などという、ワケの分からない発言が飛び出してくるくらいなので、政権を二つくらい吹っ飛ばすような話は出てこないように思える。

 ちなみに余談だが、この「安倍総理からの寄付」に関して推測すると、安倍総理は寄付などしていないと思う。これは僕自身もそうなのだが、講演を頼まれても何らかの理由で謝礼を受け取りたくない場合がある。僕の場合だと、たとえば若者が立ち上げたばかりとか、地方都市で頑張っているといった小さなNPOに講演を頼まれた場合、講演謝礼やお車代は応援の意味で遠慮したいと思うこともある。しかし、そのような場合でも主催者は謝礼を渡そうとするので、「では、これは寄付させていただきます」と言って、受け取った謝礼金をその場で寄付することがある。これは社会セクターではわりとスタンダードなことで、逆に僕が主宰するセミナーに来てくれた講師から、そのようなカタチで寄付されることも多い。

 昭恵夫人の場合も立場上、講演謝礼などはほとんどの場合、受け取っていないと思う。しかし籠池氏のキャラクターを考えれば、講演後に昭恵夫人に謝礼を渡そうとすることは十分にあり得るし、昭恵夫人が固辞しても受け取るようにしつこく言ってくることもあるだろう。こういう場合、めんどくさいので、「では、これは寄付とさせていただきます」と言ってしまうことは普通にあり得ることなのだ。今回の「総理からの寄付」という話はその類いの話だと思うし、それを籠池氏が「安倍総理が寄付してくれた」と言いふらすこともまさに「あるある」であって、政権を吹っ飛ばすような、きな臭い話でもないだろう。

 また、証拠だとしてあがっている郵便局の振込伝票も、あんなものはいくらでも自分で作ることができる。安倍総理から寄付をいただいたという「証拠」を偽造したければ、自分で自分に振り込めばいいわけだし、そもそも寄付をするとしても、なぜに「淀川新北野郵便局」からなのか。塚本幼稚園に近い郵便局まで現金を持って来ているなら、振込などせずに手渡しすればすむことで、これも寄付者の行動としては腑に落ちない。