政治におけるマーケティングとは

 念のために言っておくが、これは思想信条の話ではない。純粋に「マーケティング」の話だ。政治と言っても、結局は支持率や選挙における票という「数字」の世界の話なので、政治もやはりマーケティングなのだ。そして、マーケティングとはつまるところ、「自分たちの価値観と顧客(政治の場合は国民)の価値観をどうエンゲージメントさせるか」ということだ。自民党が強いのは、そのことがよく分かっているからだし、民進党や共産党が支持率を伸ばせないのも社民党が風前の灯なのも、そのことが分かっていないからだ。

 結局のところ森友学園問題とは、野党や左翼マスコミの「愛国教育が大嫌い」「安倍総理が大嫌い」という感情バイアスで無理矢理に政治問題にしたかった話であり、やはり無理筋だ。社会正義の観点から言えば、これはあくまで官僚問題であり、行政問題が絡むとしても大阪という地方行政の問題であり、政権を揺るがす大きな政治問題にはならない。つまり、野党やマスコミの失敗は、この問題を政治問題にしようとしたところにある。マーケティング屋の視点で言えば、森友学園問題とは、「売れるはずのない商品を、会社の事情で無理矢理売ろうとしている」ような話だ。東芝の原発ビジネスの失敗と、本質的には似ている。しかし、売れないモノは何をどうやっても売れない。

 野党も左翼マスコミも安倍内閣を倒したいのなら、感情バイアス、思想バイアスを捨てて、きちんとマーケティングすべきだ。具体的なことはここでは書かないが、ひとつだけヒントを書いておこう。具体的な政策プランも大事だが、まず日本人、とくに若い人たちの日本人としてのプライドを満たすことのできる政策を掲げ、実行できるという説得力を持たせるか。そして、説得性のある人物を党首にできるかにかかっている。日本のリベラルにとっては、それは最もハードルが高いことではあるのだが。

(ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表 竹井善昭)