2010年12月の発売以来、日本でもザッポスおよびトニー・シェイのファンを増殖させている書籍『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』ですが、数回に渡り、さまざまな層のザッポス伝説ファンの情熱を紹介。ベンチャー、顧客サービス、企業文化、生き方など、同書を多様な視点から読み解いていきます。今回は、原書「Delivering Happiness」のプロジェクト・マネジャーを務め、同書から生まれた新会社デリバリング・ハピネスのCEO兼CHO(Chief Happiness Officer)であるジェン・リム(Ms. Jenn Lim)氏に話をうかがいました。
デリバリング・ハピネスCEO兼CHO。ザッポスのコンサルタント兼カルチャーブック・プロデューサー。2005年のザッポス・カルチャー・ブック創刊からプロデュースを担う。トニー・シェイ著「Delivering Happiness」(すでに17ヵ国で発売)のプロジェクト・マネジメントを務める。ハピネスを広め触発するデリバリング・ハピネス社をトニー・シェイと共同創業し、注力している。トニー・シェイの予備の頭脳(backup brain)でもある。
ザッポス伝説の中心人物
「まず、日本の震災についてお見舞い申し上げます。2011年3月11日は、厳しい日でした。テレビの驚くべき被害に目を見張りました。一国の悲劇は、私たちすべてにとっての悲劇です。日本の人々のことを考えると、私たちも心が打ちひしがれました。しかし、こうした大惨事の中でも、日本の人たちが人間性の精神(spirit of humanity)を体現しているのは素晴らしいと印象づけられました。我欲を捨て、たがいに助け合う、寛大な人々の行動は光り輝いています」
インタビューは冒頭、このお見舞いの言葉から始まりました。ジェン・リム氏は『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』(230ページ)に「カルチャー・ブックを掘り下げて考える」を執筆し、また当初から7年に及び「ザッポス・カルチャー・ブック」の編集を担ってきた人物です。原書のアメリカでの発売から、同書のバス・ツアー、PR、コミュニケーション活動などの中心としてリーダーシップを発揮し、ザッポスCEO(最高経営責任者)トニー・シェイの最も信頼厚い人物の一人です。
私の長年の友人で予備のブレインであるジェン・リムには特に感謝したいと思います。彼女はこの本の執筆過程全般を通してプロジェクト・マネジャー兼オーガナイザーとして働き、本の起こりから完成まで目を配ってくれた中心人物でした。彼女はまた、沢山の寄稿文の編纂と編集を担ってくれました。(『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』7ページ)